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ノーショー

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航空会社やホテルの予約には、"ノーショー"が付き物だ。 ノーショーとは、予約をした顧客が、その予約で確保した先取りの権利を予約先であるサプライヤーに通告せずに勝手に履行しないことを指して言う言葉だ。 サプライヤーは、ノーショーの発生により、期待していた収入を逸失することなる。 特に満席の航空便や満室のホテルでは、ノーショーされた座席や客室の再販がほとんど効かないので、潜在需要が存在するにも拘わらず空席や空室が発生してしまうことになる。 サプライヤーにとっては、売れた筈の座席や客室が実際は売れ残ってしまうので、大きな損失(収入の機会損失)を抱えることになる。

 

ノーショーを防止するための方策としては、ノーショーした顧客からノーショー・チャージを取得することが考えられる。 この場合はノーショー・チャージの原資を確保するために運賃や料金の前払いが必須となる。 また、ノーショーした運賃や料金の払戻しを不可とするのも有効な防止策となる。 この場合は、前払いの運賃や料金の全額がノーショー・チャージとなると訳だ。

 

航空会社の場合は、割引運賃に対して払い戻し不可の運賃規則を設定してノーショーを防いでいる。 予約変更の場合であっても、変更回数に制限を付けたり、変更手数料を徴収したりするなどの厳しい規則を設けている。

しかし、どういう訳か 割引無しのノーマル運賃に対しては、払戻の不可も予約変更の制限も何も付けていない。 普通運賃は、制限が一切付いていないだけ高い価格となると説明されている。 どんなに混んでいる便のノーショーに対しても(或は二十三重のダブルブッキングに対しても)何のペナルティーも課していないのだ。 しかし、航空会社にとっては、ノーマル運賃顧客のノーショーこそが最も大きな収入機会の逸失となってしまう。

 

「ノーマル運賃にもノーショーのペナルティーを課すべきだ」などと言うと、法人需要が激減し プレミアム旅客の争奪戦が激化している時に「何と馬鹿なことを! たわけたこと抜かすな!」と 航空会社の営業の人達から叱正を浴びかねない。 しかし、ノーショーを防ぐことによって、満席便に乗りたがっている顧客を1人でも余計に救済することができるのであれば、顧客にとってもWinとなる。 それに、資源の無駄使いもなくなるじゃないか! しかも、航空会社にとっては、収入の機会損失防止に加えて、コールセンターによる予約の確認電話(ファーミング・コール)も不要になるだろう。 空港のチェックイン係の負荷も少なくすることができる筈だ。 つまり、ノーショーを防ぐことによって 顧客も航空会社もWin-Winの関係となる。 一律にペナルティーを課すのは競争上の不利が発生するリスクが有るのであれば、始めは満席が予想される便だけを対象にしたら良い。

(現代の優秀な航空会社のイールド管理システムを持ってすれば、満席便の予想などはいとも簡単にできる。)

 

運賃規則を操作してノーショーを防止する他に、航空会社はノーショーの発生を見越して、その分をオーバーセールする自衛手段をとっている。 しかし、どんなに優秀な統計手法と予知技術をもってしても、各便のノーショー数を正確に予測することはできないので、収入機会の逸失を完全に補填できないばかりか、場合によってはオーバーセールを実施し過ぎて、予約した顧客の一部を搭乗拒否せざる得なくなるケースも発生してしまう。

 

米国第2位のLCCであるjetBlue社は、全運賃を払戻不可にしている。 オーバーセールも実施していない。 そして全米の航空会社の中で高い座席搭乗率を達成している。 LCC最大手のSouthwestの搭乗率は、一部運賃に払戻可運賃を導入しているためか、同じビジネスモデルのLCCであるにも拘わらず、jetBlueの搭乗率を常時 5%ポイント〜10%ポイントも下回っている。(2008年実績ではjetBlue 80.4%Southwest 71.2%

 

H.U.