TOP PAGE

4.JAL再建に望むこと

|

4.JAL再建に望むこと

 

  JAL再建策は、現在タスクフォースを中心に詰められているところですが、今後の日本の航空事業と、新生JALに対して、特に2つの点について望みたいと思います。

  

   (1)行政の総合的・戦略的な交通・航空政策;

     航空は、単なる一つの民間事業というだけでなく、島国・貿易国が他国と交流するための基幹インフラです。国内でも、遠距離・山越え/海越えの地域を、途中に大規模な施設を建設することなく、速く効率的に結ぶインフラです。また航空は、その地域や社会に波及効果の大きい産業でもあります。

 

貴重な資金で造って運営する空港や航空路等の社会資本は、合理的・効率的に活かす必要があります。そのためには、民営化や規制緩和の効果だけに委ねるのではなく、それを一層活かすためにも、行政の戦略的総合的リーダーシップが必要と考えます。(蛇足ですが、特定の地域や業界のために利益誘導する従来型のものを指すわけではないこと、無駄な空港は廃止すべきことは、いうまでもありません。)

 

JALの経営危機への対処も、行政の合理的・効率的交通政策の視点も交えて考える必要があると思う次第です。

 

  (2)再建にあたっての「人的要素」への配慮;

      再建には、負の要素を排除するために、徹底したクールさが必要なことは言うまでもありません。

      しかしながら事業体を厳しい条件下で運営していくためには、それを構成するヒトの要素を抜きにはできません。会社という形に、ココロという質が伴って初めて「企業」が成立し、事業発展が可能となります。

 

JALは現在、資金的に存亡の淵にありますが、持っているさまざまな航空事業のノウハウや人材(安全運航や整備、サービスホスピタリティ等の現場力)は、客観的に見て、なお世界第一級にあり、価値ある日本の財産といえると思います。

 

航空事業は、ヒトの手からヒトにサービスという価値を提供するものであり、また「飛行機はヒトの和で飛ぶ」という言葉に象徴されるように、構成員のモラルの高さが極めて重要です。そしてその核になるのがトップの求心力です。

再建計画に、この要素も十分配慮されることを願ってやみません。

 

            以上

 

      《続く》
       1.はじめに 
http://www.aviatn.com/2009/10/jal1.html
       2.経営危機の引き金  http://www.aviatn.com/2009/10/jal-34.html
        3.3つの大局的視点  
        (1)航空事業が持つ構造的特性 
http://www.aviatn.com/2009/10/1-6.html
        (2)日本の交通・航空政策などから来る問題 http://www.aviatn.com/2009/10/2-9.html
        (3)JAL自体の経営の問題 http://www.aviatn.com/2009/10/jal-35.html


           (注)今回掲載した内容の転載や利用等をお断りさせて頂きます。