グーグルITAソフトウエア買収
wsj.com, 7/02/2010
Google Moves Into Online Travel
グーグルITAソフトウエア買収
Googleが、7月1日、他の潜在的買収者を打ち負かして 航空便情報のソフトウエア会社ITA Softwareを現金 $700mで買収すると発表した。 Googleは、この買収で、オンライン コマースの重要な部分を構成する旅行分野における検索能力を強化する。(オンライン旅行市場は 総額 $80bn≒8兆円に上る) Googleは、Google.com上の航空便検索ツールを開発する計画だと言っている。 Googleは、関連するWebサイトを表示する検索方法の代わりに、より詳細な情報を直接ユーザーに送り込む方法を採用しつつある。 ITA買収で、旅行情報の提供と容易な検索 -- 例えば"7時間以内でXXXの予算で行ける目的地?"などのクエリに対する回答を用意する使い勝手の良いツールを開発するだろう。
ITA買収によりGoogleは、Kayakなどのメタサーチに直接的な競争を仕掛けることとなる。 そして MicrosoftのBing Travelとの競争力をアップすることになる。 この買収レポートは、旅行業界に大きな影響を与えるだろう。
CEO Schmidtは、ITA買収後も現在のGoogleの活動とチットも変わらないと言っている。 旅行会社にはならないと言っている。 ITAが現在保有している契約は、全てを継続させるとも述べている。 そして 航空券販売の可能性は低いと発言して 業界の懸念払拭に努めている。
Googleは、ITAのテクノロジーを使用して、ユーザーには より容易な航空便と運賃比較検索を可能にし、航空会社やOTAには より高品質のトラフィックを送り込む事が可能になると言っている。
全米で63%の検索シェアーを保有するGoogleは、新たな事業の開始や買収は必ず競争監視当局の審査の対象とされる。 ITA買収も当局の厳重審査の対象となるだろう。
Google CEO Eric Schmidtは、ITAとは現在競争関係にある訳ではないので 反トラスト法の問題とされることは無いだろうと語っている。 しかしMicrosoftのBing Travelをはじめ多くのライバル企業はITAを使っている。 Bing Travelの他ではAA, CO, ACの航空会社をはじめOTAのExpediaやOrbitz、メタサーチのKayakなどの大手企業がITAを使用している。 これ等の企業は、GDSのTravelport, Amadeus, Sabreを含めて この買収に反対するだろう。 航空会社は、Googleの検索結果に対してチャージされるのか否かを心配している。 旅行会社に対抗して自分たちのWebサイトのGoogle掲載をビッドするようなことになるのではないかと恐れている。
Schmidtは、競争監視当局のかなり長い期間の厳しい審査を受けることになるかもしれないが、この買収は必ず承認されるだろうと述べている。 業界オブザーバーは、ライバルのMicrosoftの成功している旅行検索Bing Travelが存在するので、幾つかの条件付きでもって この買収は 競争法(反トラスト法)を回避して当局の承認を得ることができるだろうと見ている。
なおGoogleは、厳しい6ヶ月間の当局の審査を経て、5月にAdMobを $750mで買収しモバイル広告市場における競争力を強化している。 ITA買収は、AdMobに次ぐGoogleの大型買収となる。
ITA Softwareは、1996年にMITのコンピューター科学者によって設立されたソフトウエアベンダーで、航空会社が使用する座席販売のイールド管理と、OTAに対する航空便検索の それぞれを最適化するソフトウエアを提供している。
ITAには、Battery Ventures, General Catalyst Partners, Sequoia Capital, PAR International Partners, Spectrum Equity Investorsを含むベンチャキャピタルが $100m以上の資金を投資している。 General CatalystとSequoiaはKayakの投資家でもある。
【関連ニュース】(買収発表直前のニュース)
Expedia等が、ITAソフトウエア買収希望
Googleが、ITA Softwareを $1bnで買収するというニュースが流れてから3ヶ月が経つ。 関係筋の話によると、この買収交渉は依然として継続しているようだ。 買収価格(ITA希望売却価格 $1bnとGoogleの買収希望価格 $700m台との間で開きがある)、当局の競争法審査(巨大検索企業のGoogleと市場を席巻している旅行検索ソフトベンダーの組合せは、当局による厳しく審査されるだろう)、航空会社予約システムの今後の開発(ACは、ITAによる自社PSSの開発を中断している)が話し合われている模様だ。