旅行流通速報 Vol. 504号
1. オンライン旅行会社 オフライン旅行会社と提携
2. グーグル フライトサーチ OTA広告 突然出現
3. 其の他のニュース
4. 編集後記「日本の国内線の搭乗率は何故低いのか?」
Travelweekly.com, 10/24/2011
1. OTAs partner with agents on commissionable sales
オンライン旅行会社 オフライン旅行会社と提携
オンライン旅行会社が、宿敵であった伝統的旅行会社と手を結んでいる。 オンライン旅行市場が成熟して、今迄のような成長力を失ったからだ。
Orbitzは、先月、America Express Retail Travel Networkの消費者旅行Webサイトに対して 2012年第2四半期からエンジンを提供する契約を結んだ。 現在のエンジン提供者はTravelocityだ。 そして、先週は、American Express Retail Travel Networkに対してホテルのインベントリーを12%のコミッション付きで提供する提携を発表した。
Orbitzは、このホテルインベントリーの契約が年間 $5.4bnの販売をもたらすものと期待している。 Centurion会員は、American Expressの豪華ホテルのポートフォリオとは別にOrbitzの日常的なホテルのチョイスが可能となるだろう。
Orbitzのこれらの契約は、2010年2月にロールアウトしたOrbitz for Agentsに次ぐ伝統的旅行会社との契約となるが、単一の旅行会社との契約は 今回のAmerican Expressが初めてとなる。 Orbitz for Agentsでは、ホテル予約に10%、ツアー予約に4%のコミッションを付けている。
一方、Expediaは、10%コミッション付きのTravel Agent Affiliate Programを全世界の16,000の旅行会社に展開している。 OTAは、自身の巨大なホテル インベントリーを伝統的旅行会社のチャネルで販売しようとしている。
Expediaは、2007年にCruiseShipCenters(YVR)に投資し、社名をExpedia CruiseShipCentersに変更した。 CruiseShipCentersのロケーションは、自社のWebサイト経由でExpediaのプロダクトを予約できて、それから11.5%のコミッションを稼ぐことができる。 Expediaの姉妹サイトであるHotels.comも、伝統的旅行会社用の10%コミッション付きのHotelRewards.comを保有している。
伝統的旅行会社は、①GDS契約の減少(インセンティブの減少)と、②コミッション収入の減少の2つの要因が OTAとの提携を加速させていると言っている。 つまり、より高いコミッションをつけるOTA経由のホテル予約を実施しない手はないという訳だ。 PhoCusWrightによれば、39%の伝統的旅行会社が直接ホテルに予約を入れているという。 OTAは、伝統的旅行会社のこの予約の獲得を狙っている。
OTAは、マーチャント契約により廉価な価格でホテルを仕入れているので、伝統的旅行会社に対してもコミッションを支払えるとことになる。
Tnooz, 10/25/2011
2. Google Flight Search -- suddenly online travel agency ads appear
グーグル フライトサーチにOTAの広告 突然出現
GoogleがITA Softwareを$700mで買収して、先月、Flight Searchを立ち上げた。 そして、航空便コンテンツの取得を優先させるために、このツールのリンク先を航空会社だけに絞って業界を驚かせた。 AdWordsの常顧客であるOTAやメタサーチを袖に降ったと思ったから、業界の連中は驚いたのだ。
しかし、この解釈は間違っているのかも知れない。 Googleは、2週間前から突然OTAやメタサーチの広告をFlight Searchの検索結果画面の最下部に掲載し始めた。 Googleは、この仲介業者の広告は今のところExpedia, Priceline, Orbitz, Travelocity, Cheapoair, Kayakなど数社に限定した試験的掲載の段階だと説明している。 広告料金も無料だという。 そして、これらのOTAやメタサーチの広告主を、Google PlacesやGoogle Hotel Finderにも勧誘している。
だが、これらの仲介業者の広告は、極めて単純な単なる広告主のサイトへのリンクにとどまっている。 従って、掲載された広告をクリックしたユーザーは、その広告主のサイトで検索条件を再度一からインプットしなければならなくなる。
Googleは、航空会社とOTAやメタサーチ間のバランスをとるのに苦労しているようだ。 仲介業者の広告を掲載開始したといえども、その掲載場所はページの最下部で、明らかに航空会社の取り扱いが優先されている。 Googleにとっては、OTAやメタサーチの仲介業者の方が航空会社よりも多くの広告収入を稼がせてくれているお得意様だ。 広告収入の最大化のためにもFlight Searchへ仲介業者の広告を掲載したいし、コンテンツを確保するためには航空会社の言うことも聞かなければならないし、ITA Software買収に際して司法省には、航空会社や仲介業者など全てと公平に取引すると約束しているし・・・Googleは、これからこれらの難問を解決していなければならない。
【関連ニュース】Farelogix exits FairSearch.org
ソフトウエアプロバイダーのFarelogixが、GoogleのITA Software買収に反対して結成された連合団体FareSearch.orgから脱退した。 脱会の理由は、Flight Searchが航空会社フレンドリーなツールであることが確認されたためと説明されている。 Farelogixの脱会で、FareSearch.orgのメンバーは、Microsoft, Expedia, Sabre, Kayak, Foundem, Level...comとそれらの関連会社となった。 Farelogixは、AAのダイレクト・コネクトのシステムベンダーである。(Tnooz, 10/24/2011)
【関連ニュース】Google Offers scales up with vacations, tours and activities
ディールサイトのGoogle Offersが、Zozi, Rearden Commerceやその他と契約してバケーション、ツアー、アクティビティーズの大幅割引ディールを顧客に提供することとなった。 Google Offersは、現在米国17都市で展開しているが、順次展開を拡大してGrouponやその他の共同購入サイトに対抗する。(Tnooz, 10/27/2011)
3. 其の他のニュース
旅行流通・TD
(1)中国人旅行者 2020年に欧州で $2.8bn消費
Hilton HotelがLondon大学に委嘱した調査で、2020年の中国人旅行者の欧州における消費額がおよそ $2.8bnになると予測している。 中国人旅行者の欧州訪問者数は、2015年に450万人(2010年の +50%)、2020年には860万人に達すると予測している。(travelweekly.com, 10/21/2011)
(2)2012年 旅行会社の合併吸収増加
旅行会社とツアーのM&AブローカーであるInnovative Travel Acquisitionが、2012年には旅行会社のM&Aが増加するだろうと予測している。 過去数年間で、旅行者の旅行会社回帰が進んでいる。 旅行者は、旅行商品の多様化、複雑な航空運賃、旅先のイレギュラリティーなどに対する旅行会社のプロフェッショナルの支援を求めている。 彼らは、$30のサービスフィーを旅行会社に支払う価値があると思っている。 旅行会社のバリューが上昇している。 法人旅行需要も戻っている。 そして旅行会社のオーナーの老齢化などがこの業界のM&Aを促進させるだろうとITAは言っている。 Travel Leadersの過去数年の多くの企業買収実績がまさにその実証例だ。 ITAは、1991年設立以来541のM&Aを斡旋して来た。(travlagentecentral.com, 10/21/2011)
(3)トーマスクック 負債リストラ
Thomas Cookが、現有負債 £1bnに対して金利 +0.5%の上乗せにより銀行債務の一部条件の緩和に成功した。 アナリスト達は、流動性が厳しくなる12月にも債務条件(コベナンツ)履行ができなくなると予想していたが、Thomas Cookはこれで当座の危機的状況を回避する。 銀行団は、EBITDAR比3.75倍までのネット債務から4.5倍〜4.25倍までの債務増加に合意した。 金利の支払いも、EBITDAR比1/2から1/1.75倍に拡大した。 そして、冬場の流動性低下に対応するために £100mの短期バンクファシリティーを設定した。 Thomas Cookは、過去最近3回のプロフィットワーニングを発出した。 株価は▲80%低下していたが、債務条件の緩和のニュースを受けて +11%上昇した。 しかし、専門家は、これらのコベナンツの緩和は、割当増資の必要性を解消するまでには至らないと指摘している。 Thomas Cookは、7つのホテル、英航空管制会社Nats株、幾つかの自社ビルの資産売却により £200mを調達して債務を軽減することを検討している。(FT.com, 11/21/2011)
(4)ARC ノンエアー販売ツール強化
ARCがARC MarketPlace Webサイトを一新した。 この一新では、検索スピードの向上、プロダクトの充実、旅券と査証サービスの強化が実施された。 また、サイトに参加した旅行会社のエージェント、業界ニュースなどについてTweetできるコーナーも設けられた。 ARC MarketPlace Webサイトは、2007年に設立されたARCのプライベートレーベルのサイトで、GDSに掲載されていない9,000のノンエアーの旅行プロダクトを 6%のコミッション付きで販売する。 ARC MarketPlasceのシステムプロバイダーはViator社である。(travelweekly.com, 10/24/2011)
(5)ユナイテッド航空とアマデウスが契約更改
UA航空とAmadeusがフルコンテンツ流通契約の2013年迄の延長に合意した。 この流通契約により、Amadeusは、2012年中頃よりUAのEconomy Plus座席ほか、将来のUA新サービスのGDS経由販売をUAの方針に従って可能にする。 なおSabreは2009年2月から、Travelportは2011年から、それぞれEconomy Plusの販売を可能にしている。(travelweekly.com, 10/25/2011)
(6)トラベルウイークリー 2011旅行業界調査 発行
Travel Weeklyが米国旅行会社の現状をレポートする2011 Travel Industry Surveyを発行した。 この調査はTWが毎年実施しているもので、今回は1906の旅行会社(61%が伝統的旅行会社、39%が在宅旅行会社)を2011年の7月〜8月にかけて調査している。 また、この調査は、ASTAの「テクノロジーとWeb利用状況調査」と「GDS調査」の2つと、National Association of Career Travel Agents調査を併合している。 このレポートは、http://travelweekly.texterity.com/travelweekly/20111024#pg27で入手可能である。(travelweekly.com, 10/25/2011)
(7)欧州委員会 行動規範のレビュー延期か
消息筋の話によると、欧州委員会のGDS Code of Conductのレビューが、利害関係人の意見収集にてこずり大幅に延期となる模様である。 9月初旬に設定していた利害関係者の意見収集期限は数週間延期されている。 11月にLondonのSteer Davis Gleaveに委嘱して収集した意見を取りまとめた報告書を作成した後に、マイナーな変更を施して2012年3月に規則を改定する当初計画の実行が難しくなっている。 3大GDSは、最近の市場の変化に対応した規則の変更は必要であるが、GDSのみならず新規市場参入者たちを加えた規則とするべきだと主張している。(Tnooz, 10/25/2011)
(8)近距離無線通信 旅行業界に大事
Near Field Communicationsは、ワイヤレスで2つのデバイス間の金銭取引や情報を交信することができるシステムだ。 Googleは、先月NFCチップをAndroidスマホに内蔵したGoogle Walletを立ち上げた。 NFCの旅行業界への応用も多い。 New Jersey transit systemは、Google Walletと提携して切符をチケットレスにした。 空港では、チェックイン、手荷物チェックイン、セキュリティー通過、ラウンジなどにもNFCが応用できるだろう。 機内販売決済に加えてマイレッジ会員のカードの代用にもなる。 これからNFCを利用したツールの開発が大きく促進するだろう。(Tnooz, 10/26/2011)
(9)法人ホテルコスト▲21%削減可能
Carlson Wagonlit Travelのホテルソリューション部長が、法人のホテルコストは▲21%の削減が可能だと言っている。 ホテルとの交渉技術改善で▲6%、コストデータの把握強化で▲15%削減が可能というのだ。 大手グローバル企業の半分で、ホテルコストの把握ができていないと彼は指摘している。 航空の場合では90%以上のコストが把握されているのとは大違いだ。 ホテルコストの1/3を占めるアメニティー費用の把握も重要だ。 これらのコストを把握すれば、客室レート以外のWi-Fi、朝食、駐車場のアメニティーの交渉も可能になる。 データを把握して、出張者に優先サプライヤー使用(出張規程遵守)を徹底させるべきだ。(Tnooz, 10/27/2011)
(10)デルタ航空 マルチチャネル販売戦略
DL航空太平洋販売マネジングデイレクターが こう語っている。
・ DL航空は、マルチチャネル販売戦略を持っている。 顧客が複数の販路を要求するからだ。
・ 最終消費者は、パーソナルな旅行体験を求めている。日常品を求めている訳ではない。 これは、航空会社にとってゲームチェンジャーとなる。
・ DLは、ブランドで勝負する。 価格では勝負しない。 DLは、顧客とパーソナルな関係を構築してブランドロイヤルティーの向上を意図している。 そして、プロダクトごとに特定の顧客層をターゲットする。 全てをまとめて処理するGDSチャネルでは、これが実現不可能だ。
・ 出張者へのダイレクト販売は控えめだ。 トラベルマネジャーを大切にしたい。 彼らが、ポリシーの意思決定者だからだ。
・ 消費者の購買行動変化が、航空会社の自社Web直販を増加させている。 航空券の販売エンジンも、小売業界で主流のショッピングカート方式に変わって行くだろう。
・ 消費者は、航空券に加えて、手荷物、座席指定、搭乗優先権をショッピングカートに入れるだろう。 DLは、Economy Plusを販売している。 エリートステータスのマイレッジ会員には割引が用意されている。
(Tnooz, 10/28/2011)
(11)YTB旅行オペレーション買収される
マルチレベル マーケターのYTB(TW社2011Power List第34位旅行会社)が、Sixth Scott LLCと資産売却契約を締結した。 これによりScottは、以前にYTBが保有していたYTBの子会社YTB Travel Network(年間売上 $1.2bn)との契約とアグリーメントとライセンスを譲り受ける。 Scottは、買収後にFirst Travel Networkに名前を変更する。 YTBは、「このアグリーメントは、より高いコミッションレベルのより多くのプロダクトの取り扱いを可能にして、在宅旅行会社メンバーの業界内でのマーケットポジションの再構築を可能にする」と言っている。(travelweekly.com, 10/27/2011)
(12)エクスペディア 第3四半期決算増益
Expediaの第3四半期決算が +19%の増益($209.5m)となった。 ホテルのオンライン販売が好調だ。 全世界のセグメント別の販売構成は、ホテル68%、広告とメディア13%、エアー8%、その他が11%となる。 海外販売比率は、36%(グロス売上では 40%)、マーチャント比率は68%(グロス売上 では45%)であった。 期末のExpedia Affiliate Network参加の日本企業は、F-Ness; ENA Travel; JALAN.Netの3社であった。(expedia.com, 10/27/2011)
空 運
【米 州】
(1)メジャーの第3四半期決算
メジャーの第3四半期決算が出揃った。 AAとWNを除いて全社が利益を計上した。 7社合計で $1,089mの利益を計上した。 前年同期比▲$926m(▲46%)の減益となった。 詳細は、11月2日発行の情報405号に掲載する。
(単位:$ Million)
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|
3Q'11 P/L |
3Q'10 P/L |
差異 |
Jan-Sep'11P/L |
Jan-Ssp'10P/L |
差異 |
|
UA |
653 |
852 |
-199 |
978 |
1,280 |
-302 |
|
DL |
549 |
363 |
186 |
429 |
574 |
-145 |
|
AA |
-162 |
143 |
-305 |
-884 |
-373 |
-511 |
|
US |
76 |
240 |
-164 |
53 |
475 |
-422 |
|
WN |
-140 |
205 |
-345 |
26 |
328 |
-302 |
|
B6 |
35 |
89 |
-54 |
63 |
89 |
-26 |
|
AS |
78 |
122 |
-45 |
181 |
186 |
-6 |
|
合計 |
1,089 |
2,014 |
-926 |
846 |
2,559 |
-1,714 |
(2)ニューヨーク空港周辺の空域変更、混雑解消に貢献
FAAが、NYCの空港周辺をカバーする北東空域の第2段階の改善を実施した。 この改善で、NYCの空港を離発着する航空機の遅延の減少が期待される。(travelagentcentral.com, 10/21/2011)
(3)バージンアメリカで組合編成の動き
Virgin Americaの650人の客室乗務員を対象とした組合編成の動きが急になっている。 Transport Workers Unionは、10月24日、政府に対して組合編成投票の申請を行った。 連邦法では、組合編成投票には35%以上の署名が必要になる。 TWUは、既にそれを大きく上回る署名を集めたと言っている。 Virgin Americaでは、現在、どの職種でも組合は存在していない。 ALPA(全米パイロット組合)は、最近jetBlueのパイロットの組合編成に失敗した。 TWUは、 Southwestの客室乗務員、Allegiantの客室乗務員、数社のディスパッチャー、AAの整備と空港地上社員の組合を編成している。 そしてjetBlueの客室乗務員の組合編成化にドライブをかけている。(wsj.com, 10/24/2011)
(4)キューバ チャーター便 大幅増加
渡航禁止規制の一部緩和で、キューバ向けのチャーター便が大幅に増加している。 今年1月、オバマ政権は、報道関係者や宗教団体や学生やその他の特定な渡航目的を有した人たちに対するキューバ訪問を緩和した。 年末迄には大手4社による週25便のチャーター便運航が開始される。 米国人とキューバ訪問者数は、昨年の25万人から今年には40万人になると予想されている。(wsj.com, 10/24/2011)
(5)FAA B757水平尾翼の検査要求
FAAが、10月24日、B757の水平尾翼のフラップを動かす装置の点検(mandatory safety directive)を航空会社に提案した。 成立すれば、米国の700機以上がこの検査の対象となるだろう。 続いて米国以外の数百機についても検査対象とされるだろう。 ボーイングは、既にこの部品の点検と油脂補給を航空会社に提案している。 11年前にAlaska航空のMD-83が同様の装置の整備ミスが原因で墜落(88名死亡)している。 この提案の最終化には数ヶ月を要するだろう。(wsj.com, 10/24/2011)
(6)ラン航空(チリ)第3四半期 減益▲11%
チリのフラッグキャリアLAN航空の第3四半期決算が▲11%の減益となった。 LANとTAMの合併は、チリの競争当局(TDLC)より条件付きで承認されたが、LANとTAMはチリ高裁に一部の条件撤回をアピールしている。 両社は、2012年第1四半期末までには合併手続きが終了するだろうと言っている。(businesswire.com, 10/25/2011)
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収入 |
営業利益 |
利益 |
|
$1,486.5m |
161.2 |
94.5 |
|
+32.6 |
+2.9% |
▲11% |
(7)バージン ギャラクティック3回目の延期
Richard Bransonが率いる宇宙旅行会社Virgin Galacticの宇宙旅行開始が2013年に遅れる見込みだ。 当初計画では2008年開始を予定していたが、それが2010年に延期され、そして更に2012年に延期されていた。 営業開始が再三に亘って遅れているものの、Virgin Galacticは約 $270mの投資を行い、今迄に75回の試験飛行を実施し、New Mexicoの州立宇宙空港(space port)で自身の施設を開設している。(wsj.com, 10/26/2011)
(8)ボーイングがB787大型機デリバリー延期
ボーイングが、B787-9初号機のNZ航空へのデリバリーを2013年末から2014年初頭に延期していることが証券取引委員会への第3四半期決算報告の資料で判明した。 B787-9は、250~290席のサイズを有し、B787-8よりも +40席大型化されている。
(9)アメリカン航空とグランドハンドリング社員の組合が新労働契約に合意
AA航空とTransport Workers Unionが、4年間の新労働契約に合意した。 バゲッジハンドラーとランプワーカーの組合員10,000人以上の批准投票を経て、賛成多数であれば最終化されることになる。 組合は、6%のサイニングボーナスと即時賃上げ +3%と、今後3年間の各年 +2%年の賃上げを勝ち取った。 そして有給休暇日数が年5日から10日(若年社員は5日から10日)に倍増されることとなった。 会社は、1,200名の機内清掃係と給油係の社外アウトソース(現在の係員は配置転換される)と、確定給付年金の代わりに401kを新規採用者に適用する権利を獲得した。(wsj.com, 10/26/2011)
【欧州&アフリカ】
(1)ガトウイック空港がアイリス検査開始
ロンドンGatwick空港で出発旅客のセキュリティー検査に光彩検査が導入された。(travelweekly.com, 10/20/2011)
(2)ライアン航空 エールリンガスに臨時株主総会要求
筆頭株主であるRyanairが、Aer Lingusに対して€0.2の特別配当(総額€110m)の実施と、株主の同意無くしては 積み立て不足(▲€400m〜500mと言われている)の年金基金に対する資金注入を禁止することを要求している。 それに加えてアイルランド税務当局から €30mのペナルティーを受けた所謂leave & rehireのスキームに関するDeloitteとMcCann Fitzgeraldの報告書の全株主に対する送付を要求した。 Ryanairは、これらの要求が聞き入られない場合は、臨時株主総会の開催を要求している。 Aer Lingusは、10月20日、既に全てが処理済みであり、臨時株主の招集は適当でないとする回答をRyanairに対して送付した。(wsj.com, 10/20/2011)
(3)オックスフォード アビエーション身売り検討
英国のバイアウトグループStar Capital Partnersが、保有している世界最大のパイロット訓練及びリース会社の1社であるOxford Aviation Academyの売却をCredit Suisseに検討させている。 OAAは、過去数ヶ月間で数社から買収オファーを受けている。 競売となれば、£350m以上になると予想されている。 中国や米国の航空会社サービスグループもOAAの買収に興味を示している。 Star Capitalは、2007年にスカンジナビアのSAS Flight AcademyとGE Commercial Aviation Trainingを $275mで合併させて社名をOAAに変更した。 その後、次々に企業を買収して現在の規模(従業員600人、訓練機全世界合計で600機)となった。 GEはOAAの株式を20%保有している。 OAAは、3年前の経済低迷で大きな収支インパクトを受けたが、その後のリストラと景気の回復でEBITDA利益 £30mを計上するまでに持ち直した。(FT.com, 10/23/2011)
(4)ライアン航空 300機購入検討
Ryanairが、2015年〜2021 年にデリバリーとなる200機〜300機の航空機(狭胴機)の発注を検討している。 同社は、現在の7,210万人の旅客を今後10年間で1億3,000万人に拡大する野心的な計画を描いている。 この数は、欧州最大の航空会社であるLHの9,100万人、米国のLCC Southwestの8,800万人(いずれも2010年実績)を上回る。 Ryanairは、ボーイング、中国COMAC、ロシアIrkutと機材調達交渉を開始している。 アナリストは、Ryanairが望む低価格にはエアバスもボーイングも応じないだろうと予想している。 そして規模拡大による採算性の悪化を危惧している。 Ryanair CEO Michael O'Learyは、「景気悪化で既存航空会社から転移する低運賃需要が存在する」、「今迄スペインとイタリア市場で供給を拡大して来たが、これから北欧と東欧市場へ展開したい」、「北欧で100機、中央欧州に50機の供給が必要となるだろう」と言っている。 Ryanairは、昨年 €500mの初配当を実施した。 2012年度にも同様の2回目の配当を実施するだろう。 機材発注が決定出来ない場合には、2014年度に3回目の配当を実施すると言っている。(FT.com, 10/23/2011)
(5)BAA 2011年9ヶ月間で損失▲£147mを計上
BAAの第3四半期決算が、予想通りの税前利益 £101.9mとなった。 LHR利用旅客数は+1.5%増、STNの旅客数は▲5.5%減であった。(FT.com, 10/26/2011)
|
3Q収入 |
3Q EBITDA |
3Q税前利益 |
9ヶ月税前損失 |
|
£629.4m |
331.7 |
101.9 |
▲147m |
|
+7.1% |
+15.4% |
+17% |
▲193m* |
*アイスランド火山爆発とストが影響
(6)ルフトハンザ 第3四半期 減益▲21%
LHの第3四半期純益が ▲21%減益の €494mとなった。(wsj.com, 10/27/2011)
(単位: € million)
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収入 |
営業利益 |
利益 |
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8,075 |
575 |
494 |
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+6.7% |
▲26.6% |
▲21.3% |
(7)イージージェットが英国防省と契約
easyJetが英国防省と契約した。 easyJetは、軍人の輸送に対して手荷物料金の割引を実施する。 英国防省の軍人輸送は、Hogg Robinson Groupが取り扱っている。 今迄は、手荷物料金の影響でeasyJetは使用されなかった。 EasyJetは、この新規の契約で年間50,000人の軍人輸送(£3.5m相当)を獲得するだろう。(wsj.com, 10/26/2011)
【アジア&中東】
(1)エアーインディアがCOOを探している
AIが、COOのポストの人材を募集している。 このポストは今年2月から空席となっている。 前任のGustav Baldaufは、昨年4月にAIの初の外人役員としてCOOに就任したが、1年経たずに辞任した。 AIの子会社Air India ChartersでもCOOを募集している。(wsj.com, 10/25/2011)
(2)カンタス労使関係緊張
QFのストが継続している。 空港地上社員の組合であるTransport Workers Unionのストにより、10月28日の国内線66便で 最大70分の遅延が発生するだろう。 QFは、パイロット、整備、空港地上社員の3組合の連続したストによりA$68mの収支悪化を余儀なくされている。(パイロットの組合は、最もマイルドなアクションをとっており、フライトの欠航に至る事態を回避している。) この収支インパクトは、最近のチリの火山爆発による影響▲A$49mを上回る。(wsj.com, 10/28/2011)
QFは、3組合のストに対抗して10月29日から突然全便の運航を中止した。 30日(日曜日)までの2日間で、およそ80,000人がストランドしている。 事態を重く見た豪政府は、緊急会議(emergency tribunal)を開催してQFに対する運航再開と労組に対するスト中止を命令するか否かを検討しているが結論は出ていない。 全面運休により、QFは1日当たり▲A$20mの収支悪化を発生させるだろう。 ストの継続は、1週間当たり▲A$15mの減収を発生させている。(nytimes.com, 10/30/2011)
(3)中国南方航空 第3四半期 増益3%
China Southernの第3四半期利益が、+3%増益の31.3億元となった。(wsj.com, 10/27/2011)
水 運
(1)ノールウエージャンクルーズ 1人船室拡大
1人旅が増加している。 クルーズ会社が1人用船室を設置している。 Norwegian Cruise Lineは、Studioステートルームを2013年と2014年に導入する新造船で増加させる。 Studioの価格は、通常の2名船室よりは安くなる。 ほとんどのクルーズは、2名船室を割り引いて一人旅(solo travelers)の船客に提供している。(travelmarketreport.com, 10/27/2011)
陸 運 & ロジスティックス
(1)ユニオンパシフィック第3四半期 +16%増益
Union Pacificの第3四半期利益が +16%増益して $904mとなった。 不安定な景気を反映して、貨物物量は前年同期比 +1%増に留まった。 輸送量は、第1四半期 +5%増、第2四半期 +3%増と連続して伸び率が低下している。 収入は +16%大幅増の $5.1bnであった。(wsjd.com, 10/20/2011)
(2)英国ポーランド間 貨物列車走行開始
英国のBarking(ロンドンの東部)とポーランドのWroclawを結ぶ貨物列車が、来月から走行することとなった。 この列車は、大型コンテナを搭載した貨車が唯一走れるHugh Speed One路線を夜間に利用する。 今迄の大型トラックによる輸送が、この貨物列車による輸送に転移するだろう。 国際間の貨物列車路線網が拡大すれば、欧州域内のロジスティックに革新をもたらすだろう。(FT.com, 10/24/2011)
(3)休暇シーズン荷動き過去最大 -- フェデックス予測
FedExが、勤労感謝からクリスマス迄の間の荷動きが2億6,000万個になると予測している。 これは昨年実績を +12%上回り過去最大の規模となる。 しかし、その内容はe-コマースにより購入された軽量の価格の安い商品のSmartPostレシデンシャルサービス輸送が中心になると予想されている。 SmartPostは、最後の配達を郵便配達員が運ぶ小口で安価なパッケージだ。 UPSは、年末の輸送量の予測をいつも来月初旬に発表するが、35%の貨物が企業でなくて直接顧客の家に輸送する小口パッケージ(即ち ほとんどがe-コマース購入商品)になっていると言っている。 この輸送は、10年前は10%しか無かった。(wsj.com, 10/25/2011)
(4)英シンクタンクが高速鉄道計画を批判
英シンクタンクAdam Smith Instituteが、英国の高速鉄道計画High Speed 2は 過大な需要予測と高い建設コストによりプロジェクトの実行に問題が有ると批判した。 ASIは、建設費は £50bn以上になると言っている。 ロンドンとバーミンガムを結び最終的にはスコットランドまで延伸するHS2計画に対する詳細な分析に基づく批判は、このASIのレポートが初めてとなる。 政府は、H2の経済効果は建設費の2倍(冬に2.7倍から減少させた)になると言っている。 Campaign for High Speed Railは、ASIのレポートに対して思想的反対の精神に満ち溢れた批判だとコメントしている。 鉄道敷設が予定されている自然の景観美で有名なChiltern Hillsの沿線の住民は、H2反対運動を起こしている。(FT.com, 10/25/2011)
(5)UPS 第3四半期 増益
UPSの第3四半期利益が +5.1%増の $1.04bnとなった。 収入は +8%増の $13.17bnであった。 パッケージの取扱量は +1%増にとどまった。 国内の物量はフラット、国際の物量は +4.6%に前期の +6.2%より低下した。 UPSは、第4四半期の物量を、年末の飛び込み休暇需要の想定無しで +1% ~ +2%と予測している。(wsj.com, 10/26/2011)
(6)ハーツ、ダラースリフティー買収から撤退
HertzがDollar Thrifty買収から撤退すると発表した。 Hertzは、撤退の理由に 市場環境の変化とDollarの自社株買い付けの2つを挙げている。 Hertzは2009年にDollar買収協議を開始し、2010年4月に1株 $41による買収オファーを提出した。 2010年にはAvisが1株 $53で買収競争を仕掛けた。 しかし、競争当局の承認取得に難航している間に2011年5月にHertzが1株 $72(総額 #1.91bn)で再び買収オファーを提出した。 Hertzも競争当局の承認取得に難航した。 長引く買収競争のうんざりしたDollarは、8月両社に最終ベストオファーの提出を要請した。(Dollarは、買収協議が開始されて以来 $30mの支出を余儀なくされたと言っている) Hertzは買収価格を上げなかった。 Avisは9月に買収競争から撤退した。 Dollarは、10月に独立企業として営業して行くこと決定した。 同時に $400mまでの自社株購入についても決定した。 Hertzは、競争当局の承認が得られれば、もう一度Dollar買収をオファーするつもりだと言っている。(Dealbook.nytimes.com, 10/27/2011)
(7)アルストム(仏)がベネゼラ地下鉄建設受注
Alstom SAとThales SAとColas SAの提携3社の合弁企業が、ベネゼラのCaracasとLos Tequesを結ぶ全長16kmの地下鉄建設を受注した。 Alstomは合弁企業の60%を保有し、このプロジェクトの €325m(受注総額は €530m)を獲得する。(wsj.com, 10/27/2011)
ホテル & リゾート
(1)ウインリゾート黒字に転換
Wynn Resortsが、第3四半期決算で +$127mの利益を計上した。 昨年同期の▲$33mの欠損から黒字に転換した。(昨年には、多額の債務早期消却やプロパティーコストが存在する) 利益のほとんど全てはWynn Macauが稼ぎだした。 Wynn Macauの株価は、この好決算を反映出来ずHK$18.80に▲3.9%下落した。(Hong Kong Indexは▲1.8%) 中国信用市場の引き締めによるマカオ賭博市場への影響が懸念されている。 そして、大口賭博顧客のVIPがとりわけ多い(賭博収入の約75%)ことがWynnの株価を不安定にしている。 しかし、データで見る限りは、マカオ市場の賭博収入は、1月〜9月で +46%と堅調に増加している。 Wynnは、3つめのカジノをマカオで建設する計画を有しているが、マカオ特別行政政府から土地借用の許可が未だ降りていない。(Wynn Resorts press release, 10/19/2011) (wsj.com, 10/20/2011)
(単位:$ Million)*EBITDA
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Wynn Resorts |
Las Vegas |
Macau |
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3Q'11 (3Q'10) |
3Q'11 (3Q'10) |
3Q'11 (3Q'10) | |
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ネット収入 |
1,298 (1,005) |
346.9 (+3.7%) |
951.4 (+41.7%) |
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営業利益 |
239 (131) |
-0.4 (-16) |
213.0 (+70.7%) |
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利 益 |
127 (-33) |
85.1 (76.5)* |
296.0 (+49.5%)* |
(2)ラスベガスサンズ 第3四半期 利益倍増
Las Vegas Sandsの第3四半期決算が増収 +65%、増益 +98%となった。 マカオとシンガポールのカジノは、LVSの利益のほとんど全てと収入の77%を構成している。(lasvegassands.com, 10/27/2011)
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LVS連結 |
V Macao |
S Macao |
F H Macao |
Marina Bay |
Las Vegas |
Bethlehem |
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収入 |
2,536 (+24%) |
689 (+11%) |
307 (+6.7%) |
169 (+5.4%) |
792 (+63%) |
347 (+19%) |
106 (+29%) |
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営業利益 |
632 (+65%) |
206 (+32%) |
67 (+4.8%) |
45 (+32%) |
315 (+89%) |
64 (+176%) |
16 (+94%) |
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利益 |
424 (+98%) |
na |
na |
na |
na |
na |
na |
マカオのGalaxy Entertainment(香港大君Lui Che Wooの家族が支配)が、第3四半期決算で収入をHK$13bnに前年同期比倍以上増加させた。 EBITDA利益はHK$1.8bn(3Q'10 HK$616m)となった。 5月15日に開業した新カジノ(建設費 $2bn、賭博テーブル950台)がこの増収に貢献した。 マカオに於けるGalaxyのシェアーは開業前の9%から20%に拡大した。(wsj.com, 10/20/2011)
(4)米司法省 海外賄賂禁止法でラスベガスサンズ捜査
米司法省と証券取引委員会は、Las Vegas SunsをForeign Corrupt Practices Act違反の疑いで捜査している。 この捜査は、昨年10月に解雇した元Las Vegas Sand CEO Steve Jacobsの訴えと関連している。 Jacobsは、自身の不当解雇に加え、LVSが海外賄賂禁止法に抵触する怖れのあるマカオの弁護士Leonel Alvesを雇用して、マカオ政府の土地借用権承認と引き換えに $1.4bnの賄賂が介在する取引をしたと申し立てている。 LVSの法務顧問Gayle Hymanは、社内の関係部署に対してマカオ政府のカジノ使用履歴や社員のマカオ出張記録などの全関連資料の収集と保管を要請している。 LVSは、元ブッシュ政権の特別法務顧問Ira Raphaelsonを雇用して、新設ポストであるGlobal General Counselに任命した。(wsj.com, 10/21/2011)
(5)マリオット、エディション ブランド
MarriottのEditionブランドの一号ホテルWaikiki Editionは、2010年10月開業直後の2011年8月にディベロパー側の一方的契約破棄によりホテル運営権がMarriottから剥奪にされた。 そして、ホテル名がEditionからModern Honoluluに変更された。 現在、MarriottとM Waikiki LLCは、この問題で係争中であるが依然として解決の目処がたっていない。 Editionブランドは、現在営業中のイスタンブールの1軒に加えて LON, NYC, MIA Beachの3箇所で開発中だ。
AUHとMexico City, BKKのホテル計画ではLOIが結ばれている。 Marriottは、当初の戦略を変更して、自己資金の投入によるこのパットしないブランドの再構築に乗り出した。 ライフスタイルホテルのパイオニアであるIan Schragerは、引き続きEditionのパブリック スペースのデザインを担当する。(HHN, 10/23/2011)
Marriottは、NYCの歴史的な建造物であるClock Towerビルを $165mでAfrica Israel USAから購入した。 Marriottは、この建物をEditionブランドのホテルとして改修し、2007年に開発を決定したこの新ブランドのてこ入れをはかる。 (wsj.com, 10/26/2011)
(6)ニューヨーク市 2013年50新ホテル開業
投資家達の積極的なホテル不動産売買で、ホテルの価格が急騰している。 ディベロパー達は、約50の新ホテルを2013年に開業する。 2014年以降にも68のホテルの開業が予定されている。 ホテル不動産価格の高騰で、売買するよりも新規に建設する方が安上りになっている。 マンハッタンの9月までの平均取引価格は1部屋 $505,157する。 この価格は昨年の $344,799と2009年の $413,644を遥かに上回る。 しかし、ピークの2006年の $632,894には未だ及ばない。 一方DiamondRock HospitalityとHidrock Realityは、1部屋 $300,000 ~ $450,000でホテルを建設している。 2013年にかけて、供給が不足しているNYCのホテル建設ラッシュが予想されている。(Bloomberg, 10/24/2011)
(7)スターウッド 第3四半期決算 黒字転換
Starwood Hotelsの第3四半期決算が、前年同期の▲$6mの欠損から $163mの利益計上に転換した。 RevPAR(Same-Store Hotels)は +11.6%増加した。(wsj.com, 10/27/2011)
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3Q'11 |
Jan-Sep'11 |
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収 入 |
$1.37bn (+9.3%) |
$4.09bn (+9.7%) |
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営業利益 |
$162m (+32.8%) |
$459m (+33.4%) |
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利 益 |
$163m (-$6m) |
$322m ($138m) |
(8)バージン シカゴでホテル
Virgin Groupが、10月21日、シカゴの27階建て築83年のOld Dearborn Bank Buildingを購入した。 Virginは、これをホテルに改修し2013年後半に250室の初のホテルを開業する。 Virginは、$500mを投資してホテルを買収してVirgin Hotelブランドに改修し、今後3年〜4年の間に少なくとも5つのホテルを全米主要都市に展開する。(wsj.com, 10/24/2011)
(9)インターコンチ 高級ブランド クラウンプラザ改修
世界最大の客室数を誇るInterContinental Hotelsは、8月に発表した中間決算で収入 $850m(+10%)、税前利益 +$205m(+8%)を計上した。 RevPARは +8%増であった。 IHGの事業の中心は米国で、そこには世界に展開している4,462のホテルの78%の3,471のホテルが存在する。 また開発中のホテル1,190の内の815が米州に集中している。 第3四半期の米国ホテル業界は、記録的な宿泊需要を記録している。 レジャー需要では、夏の休暇需要の勢いが継続している。 法人需要は依然として堅調だ。
IHGは、米国に於ける事業を強化する為に来年に米国でもう1つのブランド(8つ目のグローバルブランド)を展開することを検討している。 そして $1bnと3年間をかけたフラッグシップのHoliday Innの改修終了に伴い、今度はアップスケール ブランドのCrowne Plaza Hotels & Resortsの5年計画の改修を開始する。(wsj.com, 10/25, 26/2011)
(10)ウインダム 第3四半期 増収+14%、増益+6%
Wyndham Worldwideの第3四半期決算が、+$175の利益(+12%増益)となった。 RevPARは +6.3%増であった。(MarketWatch, 10/26/2011)
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Wyndham |
Lodging |
V Ownership |
V Exchange & Rentals |
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収 入 |
$1.2bn (+14%) |
$222m (+9%) |
$559m (+5%) |
$436m (++32% |
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利 益 |
$175m (+12%) |
$67m (+0%)* |
$149m (+21%)* |
$135m (+30%)* |
*EBITDA
その他
(1)グルーポン創立者3人 1株150議決権株保有
来週にも予定されているGrouponの上場では、創立者の2人Andrew Mason, Eric LefkowskyとExecutive ChairmanのBradley Keywellが、1株で150株分の議決権を持つ優先株株を保有する。 また数ヶ月後の上場を計画しているソーシャルゲームのZyngaの創立者Mark Pinkusが、1株で70株分の議決権を持つ優先株を保有する計画だ。 上場後も、自己の経営権を維持しようという魂胆だ。 GoogleのLarry PageとSergey Brin,は、1株が10株分の議決権を有する優先株を持っている。 大きな議決権を持つ優先株が批判に晒されている。(wsj.com, 10/28/2011)
編集後記
「日本の国内線の搭乗率は何故低いのか?」
¨ 日本の国内線旅客需要は、 2006年の9,697万人をピークに漸減傾向にある。
¨ 何故需要が低下し続けているのだろうか?
¨ 「失われた10年」の所為なのだろうか?
¨ それとも運賃が高いからなのだろうか?
¨ 来年、LCCが数社この市場に新規参入する。
¨ 欧州のLCC最大手Ryanairは、低運賃の導入で40%の新規需要を開発した。
¨ 日本の国内線でも、LCCが現行運賃比半値の低運賃を導入すれば、需要が増えるかもしれない。
¨ そのためには、世界一高い航空のインフラコストを引き下げる必要がありそうだ。
¨ 日本の国内線路線は、羽田、成田、伊丹、関西、中部、札幌、福岡、沖縄を結ぶ幹線17路線と、主要ローカル線47路線で構成されている。
¨ 幹線とローカル線の旅客需要の案配は、40:60でローカル線が幹線を上回る。
¨ ここを19社の航空会社が運航している。(含む離島路線リジョナル航空会社)
¨ 問題は座席搭乗率だ。 搭乗率は幹線で64.9%、主要ローカル線で59.2%と低い。(2009年度実績)
¨ 何故こんなに低いのか? 便当たり平均座席数は幹線で319席、主要ローカル線で179席だ。 従って、毎便平均 幹線で112席、ローカル線で73席が空席で飛んでいる。
¨ これらの空席は、航空会社のイールド管理では「スポイレッジ」(spoilage)と呼ばれている。
¨ 米航空会社メジャー7社は、燃油費高騰が発生した以降、座席搭乗率を軒並み80%以上に向上させて収入増に励んでいる。 空席連動型運賃をダイナミックに運用したイールド管理を徹底させているのだ。 見事なものだ。
¨ 日本の国内線で使用するジェット燃料は世界一高い。 航空機燃料税(1kl当たり18,000円)が存在するからだ。 従って、毎便100席程度の空席は、大きなスポイレッジ費用(製造業で言う「仕損費」)を発生させてしまうことになる。 環境対策上も誠にもって好ましくない。
¨ 日本の航空会社も、米国並みのイールド管理テクニックを習得して、この「歩減り」を減少させる必要があると考える。
¨ 廉価な運賃を導入すれば、需要が増えて空席も少なくなる。 そうなれば、仕損費が減少し航空会社の採算性が向上するだろう。 そして、旅客需要も年間1億人をキット突破するだろう。
¨ それには、繰り返しになるが、燃料税の廃止と航空インフラコストの低下が不可欠だ。
(H.U.)

(数値は、全て「(財)日本航空協会 航空統計要覧2010年版」より抽出した。)
(以上)