旅行流通速報 Vol. 517号
1. オバマ大統領 「ツーリズム振興が重要」
2. 新興オンライン旅行市場 ローカルが勝利
3. 其の他のニュース
4. 編集後記 「空港民営化、空港使用料値下げが必要」
travelweekly.com, 1/20/2012
1. Tourism leaders praise Obama
オバマ大統領 「ツーリズム振興が重要」
オバマ大統領が、1月15日、フロリダ州OrlandoのDisney Worldで、新たな旅行振興のイニシャティブを発表した。 彼は、こう演説した。
「私は、明日、より多くのツーリストをここで見たい」
「アメリカを世界最大のツーリストの目的地としたい」
「より多くのインバウンド旅客が米国を訪問すれば、より多くの米国民の就労チャンスが拡大する」
「中国、インド、ブラジルからの訪問者に対するビザ発給プロセスを +40%加速させる」
「これは、5年先の話ではなく、たった今の話だ」
オバマ大統領は、国務省(DOS)と国土安全保障省(DHS)が協力して、ビザ発給の迅速化に努めると語った。 そして商務省(DOC)に"National Travel and Tourism Strategy"を計画するためのタスクフォースを編成すると語った。
旅行業界は、こぞって このオバマ演説を絶賛した
旅行は、米経済における大きな産業だ。 GDPの2.7%を構成し750万人を雇用している。 米国インバウンドは、120万人の職を支えている。(2010年数値) 査証免除協定(Visa Waiver Program)参加国の増加が期待されている。 2年前に参加が認められた韓国の米国訪問者数は、このお陰で +42%も大幅に増加した。 現在の36ヶ国に加えて、今後アルゼンチンとブラジルが査証免除対象国になることが期待されている。 旅行が生み出す経済効果は莫大だ。 米国が、2009年にTravel Promotion Actを成立させて、Discover Americaと共にBrand USAマーケティング キャンペーンを開始したばかりだ。
米国が、Made in USAの製品輸出に加え、Discover USAの"旅行輸出"を本腰でプロモートしている。 そのバックにあるのが"安いドル"ではないのか。(勉強会)
Tnooz, 1/17/2012
1. Who wins in emerging online travel markets? Locals do
新興オンライン旅行市場 ローカルが勝利
BRICsの新興諸国のオンライン旅行市場では、CTrip(中国)、MakeMyTrip(インド)、eLong(中国)などのOTAが頗る元気が良い。 米国の大手グローバルOTAを凌いでいる。 地元のOTAは、グルーバルOTAに対して競争優位を有しているからだ。
ロシアのOTA(ホテル アグレゲーター)であるOstrovokは、BRICsのOTAの長所短所を研究して地元のOTAがグローバルOTAに対して遥かに勝る以下の結論を見出した。
ü グローバルOTAは、大きな資本を有している。 しかし、地元のOTAもベンチャー・キャピタルから $100mの資金の融資を得るノーハウを持っている。 既存の旅行に関係ない企業が、旅行にこれだけの資金計画を立てる場合は、株主の承認を得なければならないとかの煩わしい仕事が必要になる。
ü グローバルOTAは、グローバルなサプライベースを有している。 地元のOTAだってアフィリエート提携によって容易にグローバル サプライにアクセスすることが可能だ。
ü 地元のOTAにとっては、グローバルな顧客も大切だがそれよりも地元の顧客がもっと重要だ。 グローバル顧客は、格安価格検索が目的で、グローバルOTAに対するロイヤルティーを有していない。 彼らは、結局はBRICsのホテルのより良い価格とアベイラビリティーを有する地元のOTAにアクセスすることになる。
過去に培った経験は、事業のイノベーションに不向きな場合がある。 成功したほとんどのインターネット企業は、その業界の外部から新規参入者たちによって創立された企業ばかりだ。 急速に変化している市場は、レガシーな知識よりも柔軟性が重要となる。 既存のOTAが、新たな流通チャネルとなりつつあるソーシャルやモバイルへの適合に苦しんでいるのが良い例だ。
地元のOTAの競争優位性は、以下のフルフィルメント、マーケティング、サプライの面に於いても存在する。
【フルフィルメント】
オンライン決済手段は、国々よって異なっている。 CTrip(中)は、集金のための多くのメッセンジャーを抱えている。 Despegar(伯)は、多くのホテルの支払いが分割払いとなっている。 Ostrovok(露)では、ATM若しくはモバイル小売店経由の決済が主流だ。 グローバルOTAは、地元のメジャーな決済手段に対応できていない。
BRICsの顧客には、電話によるオンライン予約サポートや、ビザ取得のヘルプが必要だ。 インターネットの信頼性を学ぶ手助けをしてやる必要がある。 CTripでは、数千人のコールセンター電話要員を抱えてハイタッチな顧客サポートを実施している。
【マーケティング】
Baidu(中)とYandex(露)のSEM/SEOは、GoogleのCPCとは大きく異なっている。 ネゴディールのその他のサイトでは、もっと違う。 また、グローバルOTA は、地元のオフライン広告に余り熱心でない。 MakeMyTripやDespegarは、地元でTV宣伝を打っている。 それ以上に、母国語を話さない他国の人たちが、地元の社会通念や文化や習慣のデリカシーを理解できる筈が無い。
【サプライ】
ホテル サプライは、地元に於けるハイタッチな関係の樹立が必要だ。 ホテルのニーズに木目細かく対応する必要がある。 CTripやeLongは、オン−リクエストベースのFaxやエクストラネット経由でホテルと予約データ情報を通信している。 CTripでは、現在でもこの方法が40%を構成している。 また、現地の法律に基づく地元のOTAの方が、そこのホテルにとっては都合が良いという問題も存在する。
地元のOTAが、グローバル企業に勝るというのは何も旅行業界に限ったことではない。
ロシアでは、GoogleはYandexに追いつけず1/3の市場シェアに甘んじているし、Facebookは第4位だ。 Grouponは、ローカルのBiglionに抜かれている。 Amazon, eBay, LinkedIn, Zyngaは影すらも見えない。 グローバル企業の万能サイズなソリューションでは地元に適合しないことになる。
然らば、地元のOTAの中で誰が成功するのだろうか? 勝利者を決定するのは、チーム編成が重要となる。 優れたオンライン ソリューションの技術者を含めたメンバーを持つOTAが勝利者となるだろう。
3. 其の他のニュース
旅行流通・TD
(1)米在宅旅行会社の元気が良い
米国で在宅旅行会社が増えている。 旅行会社が、究極の採算性向上を求めて在宅化したのと業界外からの新規参入者たちが在宅旅行会社を増加させている。 ホスト旅行会社たちは、在宅旅行会社の支援に一生懸命だ。 在宅旅行会社数の判定は困難であるけれども、ARC登録旅行会社数の大幅な減少をもって、米国旅行業界が縮小していると判断するのは間違っている。 在宅旅行会社を含めて考える必要があるからだ。 在宅旅行会社やホスト旅行会社の多くは、レジャー旅行市場では在宅旅行会社のエージェントが伝統的旅行会社のエージェントの数を上回っていると確信している。 事実、クルーズ販売のトップ10の半分は、在宅旅行会社が占めている。(travelpulse.com, 1/11/2012)
(2)大手ホテルチェーン共同サイト
米大手チェーンが立ち上げた共同直販サイトRoomkey.comは、米航空会社が立ち上げたOrbitzのホテル版と言えるかもしれない。 PhoCusWrightによれば、ホテルのオンライン販売は全販売額の31%を構成している。 そして、PricelineやExpediaなどのOTAによるホテル販売が、オンライン販売の45%($15.2bn)を構成している。 そしてこれらのOTAは15%〜30%のマージンを得ている。 このマージンは大手チェーンの"吐き出し"となる。 チェーンは、このOTA販売に対抗して"吐き出し"を少なくしようとしている。 Starwood Hotels & Resorts Worldwideは、Roomkey.comに参加していない。 新たなチャネルの実績を見てから参加するか否かを検討すると言っている。(wsj.com, 1/12/2012)
(3)エジプト ツーリズム回復するか?
2011年1月25日にエジプトで革命が勃発してムバラク首相が退陣を余儀なくされた。 その後依然として社会的騒擾が散発している。 このお陰で、2011年のエジプトのインバウンド旅客が前年比▲54%減少した。 Muslim BrotherhoodのFreedom and Justice Partyが、今年6月頃に予定されている総選挙で 果たして勝利するだろうか? 観光収入は、エジプト経済の11.5%を構成する最大産業だ。 2012年のエジプト訪問旅客の大幅増加は未だ見込めそうもない。(travelweekly.com, 1/13/2012)
(4)新トップレベル・ドメインのDMO利用を提唱
ICANNが、先週から新トップレベル・ドメイン(TLD)を承認している。 これで、ドットの後に自分の好きな名前を付けられる様になった。 Marriottであれば Stay.marriottとかLondon.marriottとかが使えるようになった。 新ドメインの取得は勿論有料だ。 この新ドメインは、ICANNの資金集め目的であるようで気に食わない。 資金力に勝る大手が新ドメインを購入するかもしれない。 しかし、DMO(Destination Marketing Organization)が、これを購入して、DMOの目的地の旅行関係者に使用させるというアイディアはどうだろうか? 例えばLondon & Partners(ロンドン市の観光促進NPO)が、.londonをVisitLondonの会員に提供する考えだ。 たとえばSavoy.londonは、ロンドン市公認のサイトであることが一目瞭然となり、観光促進に大いに貢献するだろう。 この方法は、キット観光誘致の資金集めの一助となる筈だ。(Tnooz, 1/16/2012)
(5)2011年国際観光者数 +4.4%増加 − 国連世界観光機構、
国連の世界観光機関(World Tourism Organization)が、1月16日、2011年世界観光者数が +4.4%増加して9億8,000万人となったと発表した。 アラブの春や日本の津波大災害があったにも拘らず、国際観光旅行者数が増加した。 WTOは、2012年に +3%〜+4%増加して10億人の大台を突破すると予測している。 World Travel & Tourism Council(WTTC)も、 2012年以降の10年間に世界のtravel and tourismが年率平均 +4%で成長すると予測している。(travelweekly.com, 1/18/2012)
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Arrivals |
v.s.'10 |
備 考 |
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欧州 |
503 |
+6% |
欧州絶好調 |
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アフリカ |
50 |
±0 |
北アフリカ▲12% |
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中東 |
56 |
▲8% |
サウジ、Oman、UAE増加維持 |
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アジア |
215 |
+6% |
2010年 +13%から減速 |
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南北アメリカ |
156 |
+4% |
南米2年連続 +10%。北米▲12% |
(6)アマデウス、HRSと提携
AmadeusがHRSと提携して、HRSの250,000ホテルをAmadeus Selling Platform経由で旅行会社の販売用に提供する。 このホテルの中には、GDSがリスト困難だった独立ホテル5,000軒が含まれている。 一方、Travelportは、Fastbooking(仏)と提携してTravelport Rooms And Moreサービスに独立ホテルを掲載した。 Travelportは、1年前に、Hotelzonの10,000独立ホテルを同社のUniversal API経由で旅行会社サブスクライバーに提供した。(Tnooz, 1/17/2012)
(7)トラベルポートのアジリティー プログラム
Travelportが、旅行会社からシステム使用料を徴収するAgilityプログラムを12月末に発表した。 旅行会社団体や旅行会社から現行契約違反の疑いがあると指摘されたTravelportは、この有料化計画を撤回した。 Agilityプログラムの有料化は、少なくとも現契約の有効期間中には実施されないこととなった。 これが報道されている情報だ。
しかし、Travelportは、この報道は事実に反していると言っている。 Travelportは、「当初の計画を変更して、Agilityプログラムに統合した有料の新機能を分離し、そして個々の旅行会社との商業ベースの交渉をこれから開始して行く」というのが正しい情報だと言っている。 Travelportは、Agilityプログラムの有料化計画を基本的には何も変更していないと言っている。 そして、新機能がもたらす生産性向上を旅行会社が理解すれば、何故Travelportが有料化したかを分かって貰える筈だと言っている。
Travelport CEO Gordon Wilsonは、現行のGDSと旅行会社のインセンティブ コミッションは変更する必要があると語っている。(travelweekly.com, 1/18/2012)
(8)トラベルポートのルームズ&モアー
Universal Desktopに統合されることになるTravelportの旅行会社用の新ホテル予約サイトRooms & Moreは、世界の推定500,000ホテルの内の200,000〜300,000のホテルをリストして、世界の70市場のおよそ6,400の旅行会社へホテル販売の機会を提供する。 Travelportは、このRooms & Moreの基盤のほとんどに、2010年5月に買収したホテル メタサーチ エンジンSpriceの技術を応用している。 Rooms & Moreは、或る意味ではメタサーチであるけれども、通常のメタサーチと違って予約エンジンを保有している"メタブッキング" サイトであると自称している。 Booking.comやExpediaとその他の合計18のホテル アグレゲーターは、Rooms & Moreの中でお互いに競争することになる。 旅行会社は、Rooms & Moreでホテルを検索後、コミッションの多寡に従ってプロバイダー(アグレゲーター)を選択することになる。 米国市場では、Miki Travelは12%のコミッションを提供する。 TransHotelは12%、Expedia Affiliate Networkは10%、Hotels.comは10%、Booking.comは5.5%、Agodaは4.5%という具合だ。 Rooms & Moreに参加したアグレゲーターは、TravelportのGDSがリストするチェーンホテル(0%〜10%コミッション)とも競争することになる。 旅行会社がインベントリー プロバイダー(merchant of record)を選択すると、Travelportがクレジットカードの詳細をアグレゲーターに送付することになる。 そしてアグレゲーターが予約をコンファームして、バウチャーを旅行会社あるいは旅行者に送付することになる。 Travelportが旅行会社のためにコミッションを確保する。 Rooms & Moreは、TripAdvisor, Yahoo Travel, AOLなどのレビューも掲載する。 Travelportは、UGCによるレビューに加えてプロのレビューの掲載を検討している。(Tnooz, 1/18/2012)
(9)2012年の旅行の消費者トレンド
2012年の消費者の旅行に求めるトレンドは、①バリュー、②ヨガやスパなどのDIYヘルス、③環境対応、④モバイルだ。 中心となるキーワードは、健康と環境と家族の3つである。(travelmarketreport.com, 1/19/2012)
(10)チュイトラベル米国市場進出
欧州の経済不安、アフリカや中東の社会不安、日本の津波大災害が発生したにも拘らず、Tui Travelの2011年underlying profitが過去最高の £471mとなった。 Tuiは、世界3,500の路面店、OTA、ホールセラーのオンライン直販チャネルでレジャー旅行市場に於ける増収を目指している。 オンライン販売化率は、国よって異なる。 北欧4ヶ国のツアオペレーターのオンライン販売は61%となっている。 ドイツでは19%だ。
TUIは、2010年1月にカナダのホールセラーSunwing Vacationsの49%を買収した。 先月には、米国のATLベースのVacation Express(Sunwingが保有していた)を買収した。 Tuiが米国のパッケージ市場の本格的参入を計画している。(travelmarketreport.com, 1/19/2012)
(11)フェイスブックがタイムラインに旅行アプリ追加
Facebookが、TimelinesにWhere I've Been, Airbnb, TripAdvisor, Gogobot, Wipoloからの旅行アプリを追加した。 Where I've Beenの地図に自分の訪れた場所をマークして、それをFBのTimelinesに掲載して友人たちとシェアするという仕組みである。 (Tnooz, 1/19/2011)

(12)グーグルマップが英国鉄道路線網追加
Google Mapsが、TheTrainlineと提携して英国の鉄道路線を地図上に表示することとなった。 170,000に上る鉄道路線に加え、2,500以上の駅の時刻表、8,000のバスストップやウオーキング・ディレクションの情報を掲載する。 Google Mapsは、Transport for Londonと提携して、グレーターLON地区の地下鉄、バス、列車の公共輸送機関の情報を昨年より掲載している。(Tnooz, 1/19/2012)
(13)エクスペディア、 ユーザーの隣人たちの推奨 間際特別販売掲載
Expediaが、ユーザーの近所に住む人たちが推奨する間際特別販売をリストするExpedia Last-Minute Dealsを立ち上げた。 自動位置検証システムによりユーザーの場所を特定して旅行の出発地を割り出す仕組みが採用されている。(Tnooz, 1/19/2012)
(14)クオニ、ソーシャル・メディアを利用して消費者調査
豪華ロングホール旅のスペシャリストKuoniは、Twitterのフォロワーを5,000人以上(1年前は3,031人)、FacebookのLikesを14,459(2010年12月は5,340)抱えている。 Kuoniは、同社のTravel Trends Report 2012の編集のために、このソーシャル・メディアを利用して、消費者のトレンドを調査した。 2011年にKuoni旅行商品を購入しましたか? 何処に旅行しましたか? 何処に旅行したいですか?などを質問するアンケート調査を行った。 この調査によると、最大の旅行目的地はモルジブとタイであった。(Tnooz, 1/20/2012)
(15)2012年は、P2Pホテル特別販売が大流行する
AirbnbのP2Pアコモデーションが大流行りだ。 2012年には、この種の販売サイトが大幅に増加するだろう。 Crashpadder (LON)、Fica La Em Casa(伯)、Wimdu(独)などのAirbnbのクローンが世界で続々誕生している。 Airbnbでは、昨年、$112mのSeries B investmentを成功させた。 問題は、ホストとゲスト間の信頼性をどのように維持して安全なホームテル事業モデルとするかだ。(ホームテル=Home + Hotel = Hometel)(fastcompany.com, 1/20/2011)
Peer to Peer = P2P = ピアツーピア
ネットワーク上で対等な関係にある端末間を相互に直接接続し、データを送受信する通信方式。また、そのような方式を用いて通信するソフトウェアやシステムの総称。データの送り手と受け手が分かれているクライアントサーバ方式などと対比される用語で、利用者間を直接つないで音声やファイルを交換するシステムなどが実用化されている。(http://e-words.jp/w/P2P.html)
(16)トーマスクック 1月前半で予約量▲33%減少
Thomas Cookの1月前半の予約量が、昨年同期間に比べて▲33%減少した。 ツアオペレーターにとって、夏のパッケージの15%の予約が発生する1月の予約は重要である。 業界の予約量は1月13日までの2週間で▲15%減少した。 欧州経済の深刻さを反映しているようだ。 Thomas CookのライバルのTui Travelでは▲11%しか減少していない。 Thomas Cookの予約減少は、同社の流動性不足のネガティブな報道が原因だと見られている。 予約の減少が収まらないと、再び流動性危機に陥る可能性がある。 Thomas Cookでは、前CEOのManny Fontenla-Novoaの退任後 新CEOを探している。 そして路面店の▲200店舗の閉鎖を実施中だ。 株価は、過去12ヶ月間で▲91%暴落した。(FT.com, 1/22/2012)
空 運
【共 通】
(1)エアバスが、2011年のデリバリー機数と受注機数の両方でボ社を上回った。
2011年の新造航空機のデリバリーと受注の両方で、エアバスがボーイングを上回った。(wsj.com, 1/18/2011)
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Delivery 機数 |
Gross 受注機数 |
Net受注 機数 |
備 考 |
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Airbus |
534 (新記録) |
1,608 (新記録) |
1,419 (新記録) |
A380デリバ×26, A320neo×1,226 受注残 4,437機 |
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Boeing |
477 |
921 |
805 |
B737MAX確定+コミットメント×1,000機 受注残 3,771機 |
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Airbus 受注額 |
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$168.8bn |
$140.5bn |
カタログ価格 |
(2)航空会社CFO 2012年見通し悲観的
IATAは、1月16日、世界の主要航空会社のCFOが、2012年の財務見通しについて悲観的な見方をしていると発表した。 IATAのCFOアンケート結果の概要は以下の通りである。
ü ほとんどのCFOが、昨年第4四半期の採算性が悪化したと報告している。
ü この傾向は、2012年にも継続するだろう。
ü 需要増の期待が急速に減少している。
ü コストプッシュのプレッシャーが継続している。 73%のCFOと国際貨物のヘッドが、コスト増加に直面していると言っている。
ü しかし、景気減速に合わせて単位コストが2010年レベルまで回復する兆候が存在する。
ü イールドは低水準に留まっているけれども、今後12ヶ月間により安定するだろう。
ü 貨物イールドは、需要減少に対応して低下している。 これが、損益分岐搭載率を高めている。
ü 需要と利益見通しは、業界が欠損を計上し大幅な需要の減少に直面した2009年初頭のレベルまで低下している。
(wsj.com, 1/16/2012)
【米 州】
(1)リパブリック航空 スロット奪回に成功
Ø Republic航空が、2009年にMidwest航空を買収した際に、米運輸省はMidwestが使用していたDCA空港の3発着スロットペアの内1スロットをSun Country航空に割譲させた。
Ø Republicは、この運輸省の措置を不満として控訴裁判所にスロット返還を訴えた。
Ø 控訴裁判所は、最近、Republicの訴えを認めて運輸省に1スロットペアのRepublicへの返還を命じた。
(travelweekly.com, 1/12/2012)
(2)ARC 2011年清算実績
ARCの2011年清算実績が、前年比 +6.1%増の $82.1bnとなった。(arccorp.com, 1/12/2012)
(3)インド航空に対する輸銀ファイナンス差止め請求認められず
Ø 米航空協会(Airlines of America、元ATA)は、昨年11月、AIのボーイング機×30機(内×28機はB787)購入に対する低利の米輸銀融資($3.4bnの債務保証)は、米国航空会社に対して財務面における不平等を生み出すと主張して、この融資の差止をワシントンの地方裁判所に要求した。
Ø 1月13日、同裁判所は、原告が被る財務的影響を原告が具体的に開陳できなかったとしてこの申し立てを却下した。
Ø なお、原告には米航空協会の主要メンバーであるUAとAAは参加していない。
(wsj.com, 1/14/2012)
(4)ウエストジェット(加) 短距離リジョナル航空設立計画
WestJet(カルガリー)が、1月16日、約40機の小型ターボプロプ機を保有する短距離リジョナル航空を来年頃に設立することを再び検討していると語った。 WestJetは、1996年に創立された航空会社で、現在カナダと米国の70路線を運航している。(wsj.com, 1/16/2012)
(5)Wi-Fi料金
Ø 米航空会社が、数百万ドルもかけて航空機にWi-Fi危機を設置している。
Ø アナリストは、機内で有料($14.95)Wi-Fiに接続する旅客は2011年で7%程度と推定している。 2012年には10%程度に増加するかもしれない。
Ø 北米のWi-Fi器機搭載航空機の85%シェアを有しているGogo社は、2011年の最初の9ヶ月間で▲$26.5mの損失を計上した。(前年同期間の▲$66.4mよりは損失が減少している)
Ø ホテル、レストラン、喫茶店などの地上の至る所でWi-Fi無料サービスが提供されているので、果たして機内で有料のWi-Fiがどれだけ使われるだろうか?
(travel.usatoday.com, 1/17/2012)
(6)アメリカン航空年金基金
Ø 破綻した年金基金を救済する連邦政府のPension Benefit Guaranty Corpが、破産法廷判事にAMR(AA航空親会社)の年金基金の詳細を開示するよう要求した。
Ø AA航空は、PBGCの基金財務内容の再三の開示要求を無視している。(PBGCは、AA航空のC-11の劣後債権者委員会の1座席を保有している)
Ø PBGCは、AMRの13万人の退職者と現役社員をカバーしている4つの確定拠出年金基金が、$18.5bnの給付債務に対して $8.3bnの資産を保有していると推定している。
Ø 既に▲$26bnの損失を計上しているPBGCは、AMRの年金が解散すれば更に数十億ドルの損失が増加すると予想している。
Ø 時を同じくして、DL航空、US航空、PE企業のTPGがAA航空買収の検討を開始していることを明らかにした。
Ø アナリストは、AA航空の買収をこう評価している。
① DL+AAには、厳しい競争法審査が待っている。 承認されたとしてもORD空港のハブ基地を放棄させられるだろう。
② 司法省の認可を勘案すると、US航空あるいはTPGの買収の方が、DL買収よりもチャンスがある。
③ AAの一部路線権益の売却も考えられる。 DLがAAのラ米路線を買収すると考えられなくもない。
④ IAG(BA+IB)の買収は、米国の外資規制を勘案すると難しい。
⑤ 誰が買収するにせよ、AA航空買収となればアライアンスの再編成が必死となる。 DLの買収は、大西洋路線に於けるDL+AA+BA+IBのアライアンスを生み出す可能性を秘めている。
⑥ AA航空は、独立会社として運営することを望んでいるが、その確率は20%程度と低い。
(wsh.com, 1/14/2012) (FT.com, 1/16/2012)
(7)ボ社、ウイチタ工場 閉鎖
ボーイングは、1月4日、カンサス州Wichita工場を2013年末までに閉鎖計画を同工場の従業員に通知した。 2,160人が職を失うことになる。 ボーイングは、1929年に地元のStearman Aircraft Companyを買収して以来80年以上もWichita工場で航空機を生産して来た。 昨年2月にペンタゴンの空中給油機($3.5bn商談)を受注したボーイングは、一時はWichitaでタンカーを生産すると約束していた。 Wichitaの人たちは、「裏切られた気持ちだ」と語っている。(nytimes.com, 1/18/2012)
(8)サウスウエスト航空 第4四半期 増益 +16%
Southwest航空が、第4四半期決算で $152mの利益を計上した。 これは前年同期比 +16%の増益となる。 収入は、AirTranとの合併もあり+31.9%増収の $4,108mとなった。 2011年通期では $178mの利益(減益▲61.2%)となり、連続39年の利益計上の達成となった。 通期の収入は $15,658mとなり、前年比+29.4%増収となった。 Southwestは、2012年の供給を2011年並みに維持する計画だ。(wsj.com, 1/19/2012)
(勉強会では、米主要航空会社の第4四半期決算の概要を纏めた特集号を来週発行する予定だ)
(9)カンタス航空 シドニー→ダラス 世界最長便
QF航空のSYD→DFW 007便は、飛行時間が15時間以上の超長距離便だ。 運賃は、経由便よりも +20%も割高になる。 接続を嫌うビジネスマンは、長距離便が大好きだ。 DL航空は、ATL→Johannesburgを、Emiratesは現在運行中のLAX→DXBに加え来月からはDAL→DXBを始める。 SQは、JFK/LAX→SIN(18時間)を運航している。 ボーイングとエアバス機の航続距離が、9,000哩以上に伸びている。 法人旅客需要が多いことに気がついたSQは、全席ライフラット座席のビジネスクラス100席仕様に変更している。(wsj.com, 1/19/2012)
【欧州&アフリカ】
(1)ATR生産拡大
EADSとFinmeccanica SpAの合弁企業ATRが、2011年に、54機をデリバリーして18の航空会社から157機を受注した。 ATRは、デリバリー機数を2012年に70機、2013年には80機に増やす計画だ。 受注残は224機($5bn)に上っている。 年商は、2011年の $1.3bnから、近いうちに $2bnに増加するだろう。 燃油費の高騰が、リジョナル航空機需要を増加させている。 CEO Filipo Bagnatoは、ATRはリジョナル航空機市場の75%の市場シェアを席巻していると語っている。(wsj.com, 1/18/2012)
(2)ドイツ独禁当局 エティハッドのエアーベルリン買収承認
独カルテル当局が、Etihad航空によるAir Berlin PLCの26.2%買収を承認した。(Etihadは、既に2.99%を保有しているため、合計株式シェアは29.2%となる) Etihadは、昨年12月、Air Berlin株を約 €72.9mで買収し同社の筆頭株主になると発表していた。 これに加えて、Etihadは、Air Berlinに $255m相当の4年間のdebt financeを提供する。 ドイツ法では、30%以上を保有した株主は、その会社全てを買収するオファーを強制されることになるが、Etihadの場合は30%を下回るために、少なくとも今後2年間は完全買収義務から解放される。(wsj.com, 1/19/2012)
(3)欧州航空安全当局、スーパージャンボA380の点検要求
SQとQFのA380型機の一部で翼の内部の構造体のL字型取付部品の2カ所で、極細い亀裂が発見された。 このため、European Aviation Safety Agencyは、1月20日、A380型機を保有する航空会社に対して、同型機の翼のコンポーネントの亀裂の存在の有無の点検を要求した。 点検対象となるのは、現在運行中の68機の1/3以下の20機程度となるだろう。 エアバスは、この亀裂は安全上重要な事態を即引き起こすリスクは少ないと言っている。(nytimes.com, 1/20/2012)
(4)エアバス、航空機価格値上げ
エアバスが、旅客機の価格を平均 +3.9%値上げした。 2011年の受注機数の3/4を占めたA320neoについては +6.1%値上げした。 A320ファミリー機のカタログ価格は、$67.7m〜$103.6mに、A320neoの価格は $88.8〜$113.3に値上げされた。 A380型機は $389.9となった。 この値上げは、1年前の値上げ +4.4%を下回る。 ボーイングは、2010年12月の2年振りの+5.2%値上げ後に昨年8月 +4.5%の値上げを実施した。 アナリストは、メーカーは大幅値引きをしているので、この値上げが実際に適用されるかどうかは分からないと言っている。(wsj.com, 1/19/2012)
(5)ヒースロー空港、オリンピックのための仮設ターミナル建設
LHR空港の運営会社であるBAAが、オリンピック開催期間中の円滑な旅客ハンドリングを可能とするために £20mをかけて仮設旅客ターミナルを建設する。 London Olympic and Paralympic Gamesは、閉会式翌日の8月13日を含むピーク時の旅客数が、通常時の1.5倍に増加すると予測している。 8月13日の旅客数は、138,000人(手荷物203,000個)に増加すると予想されている。(FT.com, 1/19/2012)
【アジア&中東】
(1)三井住友FG 航空機リース会社買収
三井住友FGが、Royal Bank of Scotlandのダブリン ベースの世界第4位の航空機リース部門RBS Aviation Capitalを$7.3bnで買収することに合意した。 RBSは、非中核事業のリース部門を売却して財務ポジションを強化する。 三井住友FGは、この買収によりこれから成長著しい航空機リース部門を強化する。 特にアジアで、旺盛な航空機需要が期待されている。 ボーイングによれば、航空機リース市場が全体の12%から2010年には36%に3倍拡大している。 三井住友FGでは、既に住友ファイナンス リースが航空機×90機を保有している。 今回のRBA Aviation Capitalが保有する航空機×250機を加えると、総機数は340機に増加する。(FT.com, 1/17/2012)
(2)エアーアジアX、シドニー線開設
AirAsia Xが、1月17日、KUL=SYD線 毎日便を開設すると発表した。 SYD路線は、AirAsia Xの豪州路線Gold Coast, Melbourne, Perthに次ぐ第4番目の路線となる。 先週、AirAsia Xは、LON, PAR, New Delhi, Mumbaiの長距離4路線の運休を発表している。(channelnewsasia.com, 1/17/2012)
(3)エティハッド航空 A350XWB×9機発注取消
Etihad航空は、1月17日、確定発注していたA350-100型機×25機を16機に減少させた。 エアバスは、A350-1000のサイズとパワーを変更し、1号機のデリバリーを2015年から2017年に遅らせる決定を昨年6月に行った。 Etihadは、オプションの25機は維持する。(wsj.com, 1/17/2012)
(4)インド航空当局、航空会社買収規制緩和を提案
インド航空大臣が、同国の航空会社に対する外国航空会社の投資を49%まで認める規制緩和を提案している。 同大臣は、この規制緩和は財務的に疲弊しているインドの航空会社の救済のためであると語っている。 また、政府は、航空会社による航空燃料の輸入を許可することも検討している。 現在インドの航空会社は、石油会社から各種の税金を課された高い燃料の購入を余儀なくさせられている。 航空会社による燃料輸入は、この石油会社からの高い燃油購入の回避に繋がることとなる。 なお、AIの債権者団コンソーシアムは、昨年11月に180bnルピー($3.5bn)に上る債務のリストラ計画を承認した。 政府は、AIに対して1.5bnルピーの緊急融資を実施するだろう。 この資金の一部は給与遅配の解消に仕様される予定である。(wsj.com, 1/18/2012)
(5)キングフィッシャー香港投資家から融資獲得か?
流動性不足で運航停止直前まで追い込まれたKingfisher航空が、香港のSC Lowyとその他の投資家と融資獲得の交渉を実施していることを明らかにした。 Economic Times紙は、1月19日、匿名情報として、SC Lowyが1月末までに $280mをKingfisherに融資するかもしれないと報じている。
Kingfisherは、インドの富豪でリカー王のVijay Mallyaが2005年に設立した航空会社で、現在600億ルピー($1.18bn)の負債を抱えている。 Kingfisherは、設立以来一度も利益を計上したことがない。(wsj.com, 1/19/2012)
(6)ジェット航空 第3四半期損失▲1.01bnルピー計上
インド最大のトラフィックシェアを誇るJet Airwaysが、12月に終了した第3四半期決算で、▲1.01bnルピー($20m)の損失(3四半期連続の損失)を計上した。 前年同期は1.18bnルピーの利益計上であった。 収入は +13%増の369.6bnルピーであった。 燃油高騰とルピー安により大きな影響を受けたが、資産売却と為替差益により損失を縮小している。(wsj.com, 1/20/2011)
(7)キャセー航空、A350-900×6機発注
CX航空が、1月20日、A350型機×6機(カタログ価格 $1.63bn)を発注したと発表した。 デリバリーは、2016年〜2017年となる。 昨年、CXはB777-300×14機、B777-200F×8機、A330×15機、A350-900×2機の発注計画を発表していた。 CXは、現在90機以上の航空機(カタログ価格HK$180bn≒$23.2bn)を発注中である。(wsj.com, 1/20/2012)
水 運
(1)オリエントオーバーシーズ、ロングビーチ港で40年リース契約
香港の大手コンテナ海運Orient Overseas Container Line Ltd.は、LAX港に次いで米第2位のコンテナ港であるLong Beach港(加州)が開発する港湾施設を、$4.6bnで40年間リースすることに合意した。 2014年には、パナマ運河の拡幅工事が完成し、大型船の通過が可能になるので、コンテナ船のパナマ運河経由 米東海岸直行航路が飛躍的に増大すると予想されている。 現在、米国のアジアからの輸入の約70%は、西海岸の港で陸揚げされているが、2014年以降は、このシェアが東岸の港に奪われる可能性が大である。 OOCLは、米西岸で陸揚げして鉄道で東海岸に輸送するインターモーダル輸送を維持する考えだ。 Long Beachは、2011年に前年比▲3%減の600万個超のコンテナを取り扱った。 この数は、ピークであった2001のハンドリング量730万個より▲16%も少ない。(wsj.com, 1/19/2012)
(2)コスタ転覆事故
イタリアのジリオ島沿岸で1月13日に座礁した豪華客船コスタ・コンコルディア丸の親会社である米Carnival Corpの株価が、一時▲15%急落した。(FT.com, 1/13~22/2012) (travelweekly.com, 1/19/2012) (nytimes.com, 1/21/2012)
陸 運 & ロジスティックス
(1)スペイン、サウジ高速鉄道計画 受注
鉄道車両メーカーのTalgo、スペイン国鉄Renfe、鉄道インフラ管理公社Adifなどのスペイン企業連合は、サウジアラビアの2大聖地メッカとマディーナ間450kmを結ぶハラマイン高速鉄道(HHR)プロジェクトの鉄軌道、35車両、信号システム、などを30.8bnリアル($8.2bn)で受注した。 スペイン企業による高速鉄道の輸出は、今回が初めてとなる。 メッカとメディーナの聖地には、毎年およそ300万人のイスラム教巡礼者が訪れている。(wsj.com, 1/15/2011)
(2)英国鉄道運営者、フランチャイズ更新入札に準備
英国鉄道のフランチャイズの半分以上の19路線が、ここ3年間で更新時期を迎える。 今週、運輸省は西海岸線の入札4社に対して、入札手順の詳細を通知する。 西海岸線は、London Euston = Birmingham/Manchester/Glasgowで英国最大路線の1つである。 昨年の収入は £753mで税前利益 £39.9mを計上した。 入札4社は、Stagecoach, FirstGroup, Keolis(仏国鉄SNCFの一部門)、Abellio(蘭国鉄の一部)の4社で、熾烈な入札競争が繰り広げるだろう。 運輸省は、英国以外の鉄道会社を入札に加えることにより自国の鉄道産業の体力を強化させる方針だ。(FT.com, 1/16/2012)
(3)TNT Express株主 売却希望
ü 昨年5月にTNT(蘭)が、国際エクスプレス郵便と、オランダの通常郵便部門を分社した。 主要株主たちが、分社してエクプレスのバリューを増加させ、UPSやFedExに売却することを目論んだのだ。
ü しかし、それから7ヶ月経った現在、TNT Expressの株価は▲37%も値を下げた。
ü 株主たちは、欧州市場から新興市場へのネットワーク拡大がうまく行っていないと経営陣を批判している。 そして、役員人事に注文をつけている。
ü 収支改善して独立企業として維持して行く方針の経営陣と、飽くまで売却に拘る主要株主間の溝が深まっている。
(FT.com, 1/16/2012)
(4)ユニオンパシフィック増益 +24%
時価総額ベースで米国最大の鉄道会社であるUnion Pacificが、第4四半期決算で $964m(増益 +16%)の利益を計上した。 シェール油(Shale-oil)掘削器機の輸送増加と貨物料金の値上げが、この好決算を後押ししている。 自動車関連貨物も +10%増加した。 総物量としては、対前年同期比 +3%増であった。(wsj.com, 1/19/2011)
ホテル & リゾート
(1)インターコンチ、中国地方都市にアップスケール展開
InterContinental Hotels Groupが、アップスケールのチェーンを特に中国の地方都市に展開するために、新たなブランドを開発中である。 IHGの中国の第3四半期のRevPARは +11%増加した。 これが、APACの調整後営業利益 +45%増益に貢献している。 IHGのAPACで運営中の93,000室近くの客室の20%が、アップスケールのCrowne PlazaとHotel Indigoである。 北京や上海などの大都市は、そろそろ市場の成熟期を迎えつつあると判断したIHGは、より大きな成長が期待されている地方都市へのアップスケールのホテルを展開する。 北京の第3四半期のRevPARは +11%増加したが、上海では2010 年の万博用のホテル急増により▲36%と大幅に低下した。 反対に厦門と成都の11月のRevPARは、前年同月比それぞれ +31%と+20%増を記録した。(STR調べ) (travelweekly.com, 1/13/2012)
IHGが、財務報告書の体裁を変更して、中国を独立セクションとして位置づけることとした。 2012暦年よりは、米州、欧州、アジア、中東とアフリカ、グレーター中国の5区分となる。 グレーター中国には、中国、香港、マカオ、台湾が含まれる。)travelweekly.com, 1/18/2012)
(2)スターウッドとハイアットのインド展開計画
Marriottに次いで米国第2位の上場ホテルであるStarwoodが、今後3年間でインドのホテルを53に +61% 拡大する。 今年には、インド豪華ブランドのITCを2軒、Aloftを2軒、Westinを1軒、インドにオープンする。 そして2015年には、インドで初めてのW Resortsを2軒、2016年にはSt. Regisをオープンする。
一方Hyattは、6軒のHyatt(Hyatt×1, Park Hyatt×2, Hyatt Places×3 合計900室)をインドにオープンする。
インドの2011年のインバウンド旅客数は、前年比 +8.1%増の560万人。(国連World Trade Organization調) STRによれば、インドでは今後3年間で +61,000室のホテルが増加すると予測されている。 先週、Wyndham Worldwideが、インドで35のHoward Johnsonエコノミーブランド(3,000室)を2017年までに開業すると発表した。(travelweekly.com, 1/13/2011)
(3)スティーブ ウインと岡田和生氏の仲違い
遊技機メーカーのユニバーサルエンターテイメント取締役会長 岡田和生氏が、1月13日、資金使途に関する情報開示をWynn Resorts社に求めた裁判で、「Wynn Resorts会長兼CEO Steve Wynnから同社の帳簿閲覧を拒否された」と申し立てた。
岡田会長は、Wynn Resorts社が支払ったマカオ大学に対する $135mの寄付に異議を唱えている。 そして、マカオのカジノ建設計画に使われた同氏の 資金 $30mの使途の詳細な説明をWynn Resorts社に求めている。 同氏は、Wynn Resortsの筆頭株主でもある。 盟友関係とされて来たSteve Wynnと岡田氏の関係が冷え始めている。(wsj.com, 1/13/2012)
(4)アコー、不動産事業の分社否定
欧州最大のホテル グループAccorが、1月16日、ホテル運営事業と不動産事業(property business)を分離する考えがないことを明らかにした。 Accorの筆頭株主Colony Capitalが不動産事業を分社してAccorのバリューを向上させることを望んでいると、報道した16日付けの仏Les Echos紙のニュースを否定した。 Accorは、効率を勘案して、財務報告書では 今後2つ事業を分離してレポートすると言っている。(reuters.com, 1/16/2012)
(5)マリオットのブティック・ホテル"エディション"
Ø ヒップなライフスタイルに対応したブティック・ホテルの人気が増している。
Ø 大手チェーンではStarwoodのWホテルが、真っ先にこの市場を開拓した。
Ø 世界で3,700のホテルを展開している世界最大のMarriottは、この市場への参入に出遅れた。
Ø Marriottは、ブティック・ホテル開発のパイオニアであるIan Schragerと提携してEditionブランドを開発した。
Ø 新ブランド発表時には、10年間で100のEditionを世界に展開する計画だった。 しかし世界経済の低迷により、この計画の大幅な変更を余儀なくされている。
Ø 今までに開業したEditionは、イスタンブールとホノルルの2カ所しかない。 しかもホノルルのEditionでは、オーナーとの間で運営権を巡る訴訟が発生している。
Ø Marriottは、"運営と保有の分離"の経営戦略に反して、自己資金 $800mを投下してNYC, LON, Miami BeachにEditionホテルを建設する。 自己資金による3つのEditionホテル建設が、このブランドの展開拡大に貢献すると期待されている。
Ø 事実、BKKとAbu DhabiでEdition計画が進行中である。
(wsj.com, 1/19/2012)
(6)ラドブロックス(英)、米賭博企業買収
英ブックメーカーLadbrokesが、LASの賭博ソフトウェア企業Stadium Technology Groupの65%を $3mで買収した。 Ladbrokesは、近い将来に米国のスポーツ賭博が規制緩和されると期待している。(FT.com, 1/19/2012)
その他
(1)Yahoo共同創立者ヤング退陣
1995年のStanford大学在学中に、David Filoと共にYahoo!を創立したJerry Yang(43)が、自らYahoo!取締を辞任すると1月17日に発表した。 Yangは、Yahoo Japanと中国Alibaba Group Holdingの役員も辞すると言っている。 Yangの退任は、今月、eBayの子会社PayPalの元社長Scott Thomsonの新CEO就任の直後に発表された。 Yahooは、優遇税制度に基づくYahoo JapanとAlibaba株の売却を断念することも決定した。(wsj.com, 1/18/2012)
(2)中国 10億モバイル接続に近づく
第4四半期の中国のモバイル接続が、973.7m(前年同期比 +16%増)となった。 今四半期中に10億を突破するだろう。 3Gの急成長がモバイル接続を増加させている。 3Gは、間もなく中国の接続の1/4を構成するだろう。 大手3社のシェア(第4四半期)は下表の通りである。(wirelessintelligence.com, 1/20/2012)
|
|
China Mobile |
China Unicom |
China Telecom |
合計 |
|
接続(m) |
648.7 |
199.7 |
125.3 |
973.7 |
|
3G接続(m) |
51.8 |
40.0 |
125.3 |
217.1 |
|
% 3G |
8% |
20% |
100% |
22% |
|
市場シェア |
67% |
21% |
13% |
100% |
|
3G市場シェア |
24% |
18% |
58% |
100% |
編集後記