「空港民営化」
国交省は、国管理の全国27空港の長期経営権(30年〜50年)を民間企業に売却する。 国が土地や施設を所有したまま、滑走路から空港ビル、駐車場まで空港全体の経営を民間に任せる。 今夏以降に売却先を公募し、2014年にも仙台や広島など利用者の多い空港運営権を売却する。 民間企業による運営で経営を効率化し、航空機の着陸料を安くするようにする他、国の財政負担も減らす。(日経1月9日) 、国交省は、この手続きを進めるため、関連法案を次期通常国会に提出する方針を決めた。
国は、空港の経営効率化に積極的に取り組んでいる。 そこで、勉強会のアーカイブで海外の空港民営化のニュースを調べてみたら、以下のニュースが見つかった。
ロイター通信は、1月24日、スペイン政府が1月23日にマドリッドとバルセロナの2空港の民営化計画を中止したと報道している。 この空港民営化は、国の債務削減策の一環として少なくとも53億ユーロ(5,300億円)を調達することができると期待されていた。 現下の危機的な欧州経済が影響したのだろう。
昨年末に、ブラジル政府が、サンパウロなど3都市の国際空港の20年〜30年の運営権の51%民営化を目指した入札を、今年2月6日から開始すると発表した。 BRICsの1国のブラジルなので、多くの入札者を引きつけるだろう。 ブラジルは、2014年6月開幕のサッカー ワールドカップまでに、この3空港の旅客取扱能力を民営化により大幅に改善する。
英国では、既に空港が民営化されている。 1986年に、The Airports Actを制定した。 Airport Authorityは解体され、全ての資産が新会社BAAに移管された。 BAAは、翌1987年に民営化された。 そして2006年にスペインの建設グループに100億ポンドで買収された。
2009年3月、英Competition Committeeは、英国の空港間の競争を促進するためにBAAが運営するヒースロー空港を含む英国7空港の内、ガトウイックとスタンステッドのロンドン2空港とスコットランドの1空港の売却を命じた。 BAAは、2009年10月に英国第2位の空港であるガトウイックを15.1億ポンドでグローバル・インフラストラクチャー・グループに売却した。 しかし、残る2空港の売却命令に対しては控訴裁判所にアピールしている最中だ。
なお、英国では、航空管制サービスもNATSとして2001年7月より民営化(Airline Group42%+Staff 5%+BAA 4%+Gopvernment 49%)されている。
一方、米国では、空港民営化は余り進んでいない。
シカゴのミッドウエー空港の民営化を $2.52bnで落札した投資団が、信用市場縮小の煽りを受けて2009年4月の払い込み期限までの買収資金調達に失敗した。 ミッドウエー空港は、FAAが1997年に導入した空港民営化パイロット計画に基づいて許可した唯一のハブ空港の民営化だった。 FAAは、昨年11月、この計画の再申請を2012年3月31日まで認めることとし、シカゴ市に対して新たな入札をそれまでに開始することを義務づけた。
その後、FAAは、ニューオルリンズ国際空港とプエルトリコ国際空港の2空港の民営化計画を承認した。
世界の主要な空港民営化計画を俯瞰してみると、必ずしも計画が円滑に実行されている訳ではない。 厳しい投資家の評価に晒されるからだ。
さはありながら、日本の空港民営化を何とか成功させて、民間の資力と経営ノーハウを注入して、空港運営を抜本的に効率化させてもらいたいものだ。 そして、空港利用者である航空会社と航空旅客に、その成果を空港使用料の値下げという形で還元してもらいたいものだ。 空港経営を活性化させて空港使用料を低下させれば、経済の"取引コスト"が低下することになるのだから、人流と物流が必ず増加する筈である。 国内線1億人、国際線日本人アウト2,000万人、訪日旅客イン2,000万人の航空旅客市場に、市場はキット成長すると確信する。
(H.U.)