TOP PAGE

ボーイング787対応:787型機の安全性を納得してもらうという課題

|

 

WSJによると)

 

米航空機メーカー、ボーイングは787型旅客機のバッテリーの改善策を検証中だが、一方で同社は同型機が商業運航を再開した際に、これが安全であることを旅客に納得してもらうという課題に直面している。

 

このため同社は、頻繁に飛行機を利用する旅客や航空機ファン、その他の人々にアンケート調査票を送って、同型機への見方を調べるなどの施策を実施している。

 

しかし、航空機安全問題の専門家は、ボーイングの広報戦略には、9週間前に同型機の運航停止を招いたリチウムイオン電池の火災という重大事故を控えめに扱うことも入っている、と指摘する。

 

この動きは、787型機のドラマの新しい1章だ。

 

3月に始まった改善後のリチウムイオン電池のテストは順調なようで、関係筋は、バッテリーの過熱の原因はまだ特定されていないものの、米政府は早ければ3月末にも改善策を承認する可能性があるとみている。

 

しかし、4月初めにも予想される商業運航の再開に向け、ボーイングや787型機を運航する航空会社は、事故原因が引き続き分からないにもかかわらず対策は十分であると人々に納得してもらわなければならないという難しい課題を解決しなければならない。

 

ボーイングのマーケティング担当副社長ランディ・ティンセス氏は先週、「われわれはいくつかの問題を経験した飛行機を持っているということに疑問の余地はない。

 

そしてこれらの問題は広く知れわたっている」とし、「われわれがしなければならないのは、どのような形であれ、この飛行機に触れる全ての人に(787型機の良さを)本当に理解してもらうことだ」と強調した。

 

同社の広報担当者マーク・バーテル氏は、ボーイングはテストに専念しているが、同型機のマーケティングの面では、運航再開時の航空会社と旅客のニーズに対応できるよう、準備を進めていると述べた。

 

また、アンケート調査はここ数カ月「強化」されているとし、その結果は引き続き部外秘扱いになると話した。

 

ただ、調査結果はマーケティング計画を立てるのに役立つように航空会社とは共有するとしている。

 

ボーイングの幹部は、バッテリーの状態に関する生のデータを公表しており、バッテリー事故の調査を主導している米運輸安全委員会(NTSB)と同じ見解に立っている、と主張している。

 

同社は別のEメールで、「事故の深刻さを認識しており、このことは先週のプレスブリーフィングなど一連の行動と声明に反映されている」と強調した。

 

事故の性格に関する最近の同社の見解は同社戦略の一部のようだ。

 

航空専門家は通常、発煙や発火事象を航空安全リスクの最高位に置く。

NTSBのデボラ・ハースマン委員長は2月、「航空の面で期待されるのは、決して機内で発火させないということだ」と指摘した。

 

ボーイングは当初から、機内での火災はいかなるものでも重大だとしている。

しかし、先週の二つのブリーフィングで同社の上級幹部は787型機のバッテリー問題でハースマン氏ほどには深刻にとらえていないかのような説明をした。

 

787の主任エンジニア、マイク・シネット氏は記者団に対して、商業機のバッテリーの誤作動は「この10年間非常に多く」、航空機運航ではこうした出来事は見慣れたものになっており、「その多くは結果として煙と火が出ている」と述べた。

 

だが、シネット氏や他のボーイングの関係者は、他の安全システムがプログラム通りに動いたために、航空機の安全は脅かされなかったとしている。

 

また、同型機のベテランエンジニア、ロン・ヒンダーバーガー氏はバッテリーの不具合の影響は「毎週のように機内で起きている」と述べた。

 

一部の観測筋は対立が芽生えているとみている。

南カリフォルニア大学で航空安全を教えるマイケル・バー氏は「彼らはNTSBに直接対抗することを決めたのだ」と述べた。

 

同氏は「通常、最初の危険性を軽視することは良いアプローチではない」とし、特に別の787型機がバッテリー問題を起こした時はそうだと話した。

 

デルタ航空で整備関係部門の元トップを務めていたレイ・バレイカ氏は35年で、米国の大手航空会社が運航する旅客機でバッテリーが火災を起こした事故は一つも思いだせないと語った。

 

ボーイングの調査は、787型機の組み立ても行われているワシントン州エバレット工場の見学者や飛行機ファンなどを対象にしたはがき大のアンケートで、「計画を変更してもわざわざ787型機に乗る」あるいは「787型機に乗るのを最大限避ける」といった設問がある。

 

またインターネットでは、ドリームライナーという言葉を聞いて連想する3つの言葉を答えてもらう調査も行った。

 

同社はグーグルで「ドリームライナー火災」や「787バッテリー」といった検索ワードを入力した場合、検索結果のトップに「FAA、ボーイングの計画を承認」というスポンサー付きのリンクが表示され、ボーイングがバッテリーに加えた変更について詳しく読むことができるようにしている。

 

WSJ3/22 http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323873404578375133071458410.html